絵筆に託す愛と祈り 生誕100年 伊藤清永展 ITO Kiyonaga : A Retrospective 2011年(平成23)12月10日(土)〜2012年(平成24)1月22日(日)

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初期作品

 絵を描きはじめた中学校時代の作品から、美術学校卒業までの作品を紹介します。
伊藤清永は、郷里・出石の古い町並みを愛情こめて描くことから出発しました。
美術学校時代は、都会的でモダンな雰囲気の作品をさまざまな展覧会に送りました。


《太鼓櫓》1926年 伊藤清永美術館蔵

《数寄屋橋風景》1933年 伊藤清永美術館蔵

《磯人》から終戦まで

 1936年(昭和11年)文部省主催美術展覧会鑑査展に出品した《磯人》が選奨になり、若手新進画家としての地位を確立します。本作品は、25歳の伊藤清永が志摩安乗に3ヶ月滞在して描いたものです。


《磯人》1936年 伊藤清永美術館蔵

《祭日の母子像》1941年 ダイワボウホールディングス株式会社蔵

戦後の再出発

 復員後、郷里の出石で描いた《母の肖像》は、目には見えない何かを描くことの大切さを伊藤清永に教えました。
妻と娘を描いた《室内》は、緑の背景に映える赤い色と、二人のなごやかな期待まじりの視線が印象的です。
本格的に裸婦にとりくみはじめるのもこの頃で、清澄な裸婦像の佳品が生まれました。


《母の肖像》1946年 伊藤清永美術館

《緑布に眠る裸婦》1952年 兵庫県立美術館

渡欧と新たな挑戦

 50歳にして渡欧を果たした伊藤清永は、これまでと違いモノトーン的な抑えた色調で空間と裸婦の量感を表現することに成功します。帰国後もしばらくこの路線で制作を続けますが、風土の違いからか、思ったような効果が得られず、「もう日本画に転向したい!」とひそかに悩んだ時期でもあります。


《オランダの裸婦》1962年 伊藤清永美術館

《釈尊伝四部作》完成まで

 1970年代後半の円熟期の作品を展示します。愛知学院大学百周年記念講堂の《釈尊伝四部作》は、禅寺に生まれ僧侶の訓練を受けた伊藤清永が、画家としての使命感と報恩の思いを胸に約7年をかけて制作したものです。


《寛祐》1971年 兵庫県公館

《釈尊伝四部作「降誕」》1984年 愛知学院大学

≪釈尊伝四部作≫完成後から晩年

 精魂傾けた《釈尊伝四部作》完成後も、旺盛な制作欲で個展開催、展覧会出品を続ける伊藤清永ですが、90年代には視力を弱めてしまいます。しかし、色彩豊かな筆触をそれまでよりいっそう自在に操ることによって、画面は融通無碍の極みに達したいえるでしょう。


《鏡に立つ》2001年 兵庫県立美術館

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