ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館所蔵 20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展 Masterpieces of Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen 兵庫県立美術館

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第1章:表現主義的傾向の展開(10点)
出品作家:マティス、ドラン、ブラック、マルク、マッケ、シャガール、グロス、スーチン、ベックマン

1905年のフランスのサロン・ドートンヌ(秋の官展)において、マティスやドランなどの画家たちは、赤や青などの鮮やかな原色を用いて、激しい筆触でデフォルメされた風景や人物を描いた作品を出品しました。そのような画家の主観を重視して描かれた作品群は、後に「フォーヴィスム(野獣派)」と呼ばれるようになります。同じ頃にマルクやマッケらによってドイツで展開された表現主義の運動は、激しい内的感情の表現をいっそう押し進めるものでした。この章ではその他にも、独自の表現主義的絵画を展開させたシャガールやスーチン、第一次大戦後のドイツで起った新即物主義の画家ベックマンの代表作などを紹介します。

 
フランツ・マルク/Franz Marc《3匹の猫》1913年
©Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen,
Düsseldorf, Photo: Walter Klein, Düsseldorf
 
マックス・ベックマン/Max Beckmann《夜》1918‐19年
©Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen, Düsseldorf,
Photo: Walter Klein, Düsseldorf
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第2章:キュビスム的傾向の展開(11点)
出品作家:ピカソ、ドローネー、グリス、ブラック、グロス、シュレンマー

ピカソとブラックは1907年頃から、描く対象を様々な角度から観察し、それを絵画の平面上で立方体(キューブ)の組み合わせによって構築的に表現する「キュビスム(立体派)」の革新的な技法と理論を展開しました。抽象絵画やコラージュなどの技法への道を拓いたキュビスムは、その後のモダン・アートの展開に決定的な影響を与えました。この章では、ドローネーやグリスなどキュビスムの影響を受けた画家たちの作品を併せて紹介するとともに、キュビスム以後のピカソの多様な画風の変遷を彼の代表作によって振り返ります。

 
フアン・グリス/Juan Gris
《テーブルの上のグラス、ティーカップ、瓶、パイプ》1914年
©Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen, Düsseldorf,
Photo: Walter Klein, Düsseldorf
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第3章:シュルレアリスム的傾向の展開(13点)
出品作家:カッラ、モランディ、エルンスト、ミロ、マグリット、マン・レイ、タンギー、エルツェ

シュルレアリスム(超現実主義)は、フロイトの精神分析学の影響下で、フランスの詩人アンドレ・ブルトンの主導によって1920年代から1930年代にかけて展開された芸術運動です。シュルレアリスムの芸術家たちは、オートマティスムやフロッタージュなどの斬新な技法を用いて、人間の理性の制御が及ばない夢や無意識や狂気の世界を探求しました。この章では、エルンスト、マグリットやタンギーなどのシュルレアリスムの代表的画家たちに加えて、シュルレアリスムの運動に影響を与えた1910年代イタリアの「形而上絵画派」の運動に属するカッラやモランディの作品を紹介します。

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第4章:カンディンスキーとクレーの展開(30点)
出品作家:カンディンスキー、クレー

1879年にスイスのベルンで生まれたクレーは、1931年にデュッセルドルフの美術アカデミーの教授に就任しました。しかし、1933年に前衛的芸術に批判的なナチスが政権を掌握すると、クレーは教授職を解任され、スイスへ亡命することになります。戦後、ノルトライン=ヴェストファーレン州は、このような負の歴史を文化政策的に償うために、クレーの作品を購入して美術館を設立したのです。この章では、同館が誇るクレーのコレクションから選りすぐった27点の作品を紹介します。また、ミュンヘンの美術アカデミーでクレーとともに学び、青騎士やバウハウスなどでもクレーと親交を結んだカンディンスキーの作品も紹介します。カンディンスキーの3点の作品は、本展のためにミュンヘン市立レンバッハハウス美術館から特別出品されたものです。

 
パウル・クレー/Paul Klee《赤いチョッキ》1938年
©Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen,
Düsseldorf,
Photo: Walter Klein, Düsseldorf
 
パウル・クレー/Paul Klee《黒い領主》1927年
©Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen,
Düsseldorf,
Photo: Walter Klein, Düsseldorf
 
ヴァシリー・カンディンスキー/Wassily Kandinsky
《無題 即興I》1914年
ミュンヘン市立レンバッハハウス美術館より特別出品
©Städtische Galerie im Lenbachhaus, München
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