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展示構成
2
展示室
常設展示室6
1月14日[水]-2月15日[日]

頴川コレクションからまとまった数の作品を展示するのは、令和3年度の受贈記念展以来4年ぶりになります。千利休の創意を受けて制作された長次郎《赤楽茶碗 銘 無一物》、名だたる武将・茶人に愛玩された《肩衝茶入 銘 勢高》など、コレクションを代表する茶道具の名品はもとより、三田藩九鬼家旧蔵の伝能阿弥《三保松原図》、播磨・明石藩士のために描かれた渡辺崋山《春渓高隠図》をはじめとする、兵庫ゆかりの作品もご覧いただきます。


長次郎《赤楽茶碗 銘 無一物》
桃山時代(16世紀) 陶製
重要文化財

《胭脂紅龍文瓶》
清時代 雍正年間(1723~1735) 磁製
重要美術品

森狙仙《雨中桜五匹猿図》
江戸時代(18~19世紀)
絹本着色 
その他の主な出品作品
《山王霊験記》 室町時代(15世紀) 紙本着色 重要文化財
長沢蘆雪《月夜山水図》 江戸時代(18世紀) 絹本墨画 重要美術品
池大雅《蜀山行旅図》 江戸時代(18世紀) 絹本着色
2月18日[水]-4月5日[日]
兵庫の書

兵庫県は古くから書のさかんな地域で、さまざまな流派や書風が交流し発展してきた歴史があります。今の三木市で生まれた上田桑鳩は「前衛書のパイオニア」と呼ばれ、書表現の自由を求めた制作は戦後の美術界にまで大きな衝撃を与えました。上田の代表作、その意思を継承、新たに展開させた森田子龍ら次世代の作品、さらに同時期に影響を与え合った兵庫ゆかりの画家の作品も交えて、「兵庫の書」の一側面を垣間見ます。


上田桑鳩《茶碗・賛》
1968年 紙本墨書・着色

森田子龍《坐俎上》
1953年 墨・紙
その他の主な出品作品
宇野雪村Uno Sesson
井上有一Inoue Yuichi
吉原治良Yoshihara Jiro
津高和一Tsutaka Waichi
古代鏡五国巡回展示

今回、特別に、加西市にある古代鏡展示館(兵庫県立考古博物館 加西分館)が所蔵する中国古代の鏡8点を展示します。美術館で見る作品とは少し違う、もちろん日本の古美術の名品とも異なる何かを漂わせる鏡の魅力を発見してください。そして、その何かを確かめたくなったら、こちらへGO!
https://www.hyogo-koukohaku.jp/kodaikyou/



《異体字銘帯鏡(君忘鏡)》
前漢(B.C206-A.D8)
古代鏡展示館(兵庫県立考古博物館 加西分館)
小磯良平記念室
神戸の小磯良平

東京美術学校を卒業して神戸に帰ってきた小磯良平は神戸画壇のプリンスと言っていい存在でした。今回は、1930年に神戸で最初の画廊としてオープンした「画廊」の機関誌『ユーモラス・コーベ』を手がかりに、そんな小磯のプリンスぶりを紹介します。神戸で小磯と並ぶ人気を誇った林重義の作品も併せて展示します。


「画廊」が発行していた
『ユーモラス・コーベ』
(1932年11月1日発行)
金山平三記念室
神戸・長崎・十和田の金山

神戸に生れた金山平三ですが、神戸を描いた作品はそう多くありません。若い頃は、制作に向かない土地だと思っていたのです。そんな気持ちが変わるのは、戦災を免れた古い建物に魅力を見出してからのことです。ここでは、戦後の神戸を描いた作品、同じ関心から長崎を描いた作品、そして、神戸・長崎とは異なる視点で描いた十和田での作品を中心に展示します。


金山平三《宇治川通り》1953年頃 油彩・布

金山平三《長崎南山手》1957-60年 油彩・板
3
展示室
1月27日[火]オープン
兵庫の友人、知人、隣人

瀬戸内海から日本海まで広い県域の当県からは、近代以降、たくさんの美術家が輩出しています。特に、港町・神戸には、県内外からいろいろな人がやってきました。もちろん、生まれた兵庫から飛び出して「中央」をひたすら目指した人もいます。3階展示室では、そうした人々のつながりや土地との関係に注目しながらトピックを設けて、兵庫のベストを紹介します。

展示室
3

令和6年度新収蔵の榎忠《大砲》(祝砲を撃っていました)が、冒頭、兵庫のベストを寿ぎます。そして、没後から40年が過ぎた今も、独特の作風と風貌で神戸の人々を魅了し続ける鴨居玲の作品を展示します。


榎忠《大砲》
1971年 鉄、ゴム

鴨居玲《眠る男》
1965年 油彩・布

鴨居と榎の出会いを用意した「神戸二紀」。そこに集った作家の作品もあわせてご覧いただきます。「二紀」だけでなく、小磯良平や伊藤継郎のいた「新制作」も忘れてはなりません。のちに具体美術協会に参加する作家のうち白髪一雄や金山明、村上三郎らが出品していました。


中西勝《日本アクロバット》
1956年 油彩・布

村上三郎《作品》
1963年 油彩、木、石膏、板
山村コレクション

グループによる表現やその中での切磋琢磨を超えていく、1970年代の若い世代の作品も展示します。また、兵庫出身でない、住んでもいない・・・。何故にこの美術館にあるの?という作品も紹介します。兵庫との縁は人である作者とだけでなく、作品とも結ばれているのです。


植松奎二《水平の場》
1973年 ゼラチンシルバープリント

阿部合成《見送る人々》
1937年 油彩・板
展示室
2

余り多くはありませんが、明治のごく早い時期に油彩画を勉強しはじめた人たちが兵庫にもいます。彼らは、ここ兵庫ではなく、東京で勉強したのでした。また、同じ時期に、ごくごく近所に住んで、同じような風景・光景を眺めていた作家たちがいます(互いを知っていたかどうかは、はっきりしないのですが)。そうした作家のそれぞれの作品を展示します。


桜井忠剛《風景-海近く-》
油彩・布

川西英《曲馬》
1928年 木版・紙

近くに住んでいる人に絵の描き方を教えてもらった、あるいは、近所の美術好きの若い人が弟子入りしたいと言ってきたなどということがあります。ここでは、そうした2組の師匠と弟子の作品を中心に展示します。


小出楢重《卓上之蔬菜》
1927年 油彩・布

吉原治良《窓》
1934年頃 油彩・布

忘れてならないのが、戦前関西写壇の巨星、中山岩太と安井仲治。中山にとっての芦屋そして元町とは、安井にとっての宝塚とは?令和6年度受贈した安井仲治作品および資料を展示するともに、2025コレクション展Ⅰに続いて中山岩太の作品や資料も展示します。


全関西写真連盟展審査会での中山岩太(左から2人目)と安井仲治(左から3人目)
展示室
1

20世紀になっても絵を本格的に勉強するには、兵庫を出ていかなくてはいけませんでした。そうして「中央」で頑張った作家たちがいます。一方、学校や先生から離れて、自分たちだけで自由にやっていた若い画家たちが大正期の神戸にいました。とっても前衛傾向な当時の若者の作品もあわせて紹介します。


伊藤清永《室内》
1948年 油彩・布

岡本唐貴《ペシミストの祝祭》
1973年 油彩・布

「こんなに近くで作っていたの!」と驚く一群の作家を紹介します(アトリエや立地する敷地は広いので「スープの冷めない」ということはありません)。そして、最後に、兵庫にゆかりの若い世代、少し前の若い世代の女性作家の作品を展示します。今、兵庫を生きるコーナーです。特別展「アンチ・アクション」(3月25日開幕)ともあわせてご覧ください。


荒木高子《砂の聖書》
1982年 シルクスクリーン・シャモット、砂

やなぎみわ《案内嬢の部屋B1》
1997年 発色現像方式印画