2010年度コレクション展1 特集展示絵画の5つの部屋 2010年3月27日(土)−7月4日(日)
■展示室6「近・現代の版画・日本画・彫刻」の部屋の展示替えをしました。

3月27日(土)にオープンしたコレクション展Tも早いもので、会期半ばを迎えました。
この度、紙を材料としている日本画と版画の作品を、環境による劣化から守るため展示替え作業を行いました。
紙を材料とする作品は、照明の影響を受けやすい非常にデリケートなものです。 美術館では、作品保護の為に、展示室の照明を暗くしたり、温湿度を管理したりしていますが、制作年や使用されている画材によって、長期間の展示を避けなければならないケースがしばしばあります。
今回の展示替えでは、日本画5点と版画12点、計17点を入れ替えました。

前期は春から初夏をテーマとした軸物をご覧いただいた日本画の展示スペースには、橋本関雪の《峡江の六月》を展示しました。
山頂を漂う雨雲の流れと、水量が増した大河の迫力をじっくりお楽しみください。

海外の版画コーナーでは、マネとアンソールの作品をそれぞれ1点ずつ展示替えしています。
日本の版画コーナーでは、明治から大正にかけて制作された版画作品3点と駒井哲郎の作品1点をそれぞれ入れ替えています。
前期の作品を思い出しながらご覧いただけるとありがたいです。

特に、日本の版画コーナーでは、小林清親の《御城内釣橋之図》にご注目ください。
当館の保存・修復グループの努力により、購入時に使用されていた額が新たなものに生まれ変わりました。
これまでは、下部に刷られたタイトル部分のみが確認出来るようにカットされた不思議なマットが使用されていました。
しかし、この作品にはそれ以外にも周囲に重要な文字情報が刷られていたのです。
今回、それらの文字もじっくりご覧いただける十分な余白を持った額になっていますので、ぜひ版画の作品に刷られた文字情報もご確認ください。
その重要性がきっとおわかりになられると思います。

会期も残すところあと半分。長いようでアッと言う間に過ぎてしまうコレクション展をお見逃しなきよう。
皆様のご来場をお待ちしています。

展示室6の画像
展示室6でご覧いただけます
■ 2010年度コレクション展Tのオープニングの日〔3月27日(土)〕に、中原佑介館長の講演会が行われました。
中原館長は、この3月末日をもって館長職を退任されますので、今回が兵庫県立美術館の館長としては最後の講演となりました。
内容は、特集展示「絵画の5つの部屋」にちなみ、絵画についてです。タイトルは「絵はいろいろ」。まず、1920年代からのメキシコ壁画運動に触れ、絵画が本来、図解としての役割を果たすものであることを指摘されました。さらに、絵画というものを、願望としての絵画、宗教的な絵画などに分類されました。その上で、そうした役割から解放される一方で、描く意味が問われるようになった近・現代絵画の位置を強調されました。古今東西の絵画を見据えた、透徹した視線による壮大な内容ですが、平明な口調で、具体作に即しながらの、とてもわかりやすい講演でした。約120名の聴講者の方々は講演に魅了されていました。

中原館長の画像その1
中原館長の画像その2中原館長の画像その3
■ 本日3月11日、「コレクション展T」の最新情報ページを立ち上げました!
これから、みなさまに「コレクション展T」のHOTな情報をお知らせしていきます。
お楽しみに!

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