この部屋は、山田脩二が家族とともに淡路島・津井に移住し、淡路瓦師(カワラマン)としての活動を展開していく時代に焦点をあてています。淡路の山並みに見立てられた瓦の立体や敷き瓦の空間、3つの木の小屋、淡路の玉ねぎ小屋を彷彿とさせる《板の間》、瓦の器が置かれる《御堂》、炭を一面に敷きつめた《炭の間》からなります。
さらに、各所に映像を配しています。新宿副都心の長期定点撮影映像、《日本村ネクスト》のイメージが配されています。
写真の仕事《新日本百景》も展示しています。これらは、淡路移住後に撮影されたものであり、《日本村》以降の展開を汲み取ることができます。そこには、里山の炭焼き小屋の風情や佇まいが見事に捉えられています。そこには、炭焼き現場を中心に結界される、里山と人々が織り成す磁場のような場所への関心を読み取ることができます。
現在では、瓦、写真、炭、それぞれの文化が互いに多次元的に干渉・摂取しあうような息の長い取り組みがなされています。写真の仕事においても、日本の風景や人々の多彩な姿、いわば、日本の「千姿百態」が写真でうつしとられています。 |