イベチャン・ントチャンのイベント通信
2017
アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国 展 関連 こどものイベント
おやこ解説会「ヴェルフリさんの王国へ出かけよう」
平成29年2月11日(土・祝) 13:30〜14:00
アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国 展 関連 こどものイベント おやこ解説会「ヴェルフリさんの王国へ出かけよう」を開催しました。33名のみなさまに参加していただきました。

1、受付

まずは、レクチャールームの前で受付です。
今までに参加したことのある人も、そうでない人も集まれ〜!
レクチャールームは100名まで入場できるので、ボランティアさんが「まだまだ入場できますよ、いかがですか。」と優しく呼び込みをしてくれています。

2、スタッフ紹介
さぁ、おやこ解説会の始まりです。
まず、あいさつをして、その後スタッフ紹介をしました。

のりちゃん先生が展覧会を担当した小林学芸員を紹介しているところです。
小林学芸員から、ヴェルフリさんとその作品についてお話を聞くことで、ヴェルフリさんの描いた“王国”へ行ったような気分になってみよう!というのが今回のテーマです。

3、ヴェルフリさんの王国へ出かけよう
「ヴェルフリさんって、こんな人。何をしているんだろう?」小林学芸員が問いかけています。

みなさん、元気よく手をあげてくれました。「笛を吹いている!」
そうなんです。ヴェルフリさんは、紙をまるめて作ったラッパを吹いていました。もちろん、絵を描くことは好きだったと思いますが、音楽も好きだったみたいですね。

こちらの写真では、ヴェルフリさんの作品を、見やすいように大きく映し出しています。

顔や模様、文字やいろんな線に混じって、音譜が並んでいるところ、発見できたかな?
楽譜のようにメロディーが描かれています。どんな曲になるか想像してみるのも良いですね。

参加者のみなさんには、こちらの用紙を配布しました。

ヴェルフリさんの作品には、このような形や模様がたくさん登場するので、よ〜く探してみないと見つけられないこともあります。これらの形や模様を使って、ヴェルフリさんの考えたストーリーを表しているものもあるんですよ。
どんなストーリーなのか、読み解いていくこともできそうです。

また、こちらのワークシートもみなさんに配布し、自分で発見した形や模様を色鉛筆で塗ってもらいました。実は、ヴェルフリさんは施設の中で作品を作りました。お医者さんから、紙や鉛筆をもらって描いたのが作品づくりの始まりだったのです。
 
こどももおとなも、模様を探すので盛り上がっています!

家族で相談もしてみてね。いろんな形がとなり合っているから、どちらに色を塗ろうか迷っちゃう〜。
 
このときには、ヴェルフリさんの作曲した音楽をBGMとしてかけたので、レクチャールームの中が"ヴェルフリの王国"になったみたい!でした。

その後、みなさんが色塗りをしたものを、スクリーンに映してみると・・・

自分では気がつかなかったところに模様があったり、色の塗り方によって見えてくる形が変わったりして、お互いに新たな発見がありました。

いくつか紹介すると、こんな感じです。
  
色を塗ってみると、動物が人間のように歩いている姿がよく見えてきます。動物は2匹かと思ったら・・・なんと4匹!?
他にも、背景になっている形の方へ色を塗ってくれた人もいました。
こうやって作品を手元でじっと見てみると、細かなところまでかかれているのでヴェルフリさんの作品のよさが一層伝わってきますね。

ワークシートのうら面には、さらに見つけたものや、自分なりに考えた新たな模様や生き物を書くところを用意しましたが、時間が足りなくなってきたので、おうちで楽しんでもらうことにして、今回は終了しました。

展覧会場で本物の作品をゆっくり鑑賞してきてね。

4、のりちゃん先生からひとこと

今回は「おやこ解説会をもっとこどもたちにとって親しみやすい内容にしたい!」と計画しはじめて、3回目のおやこ解説会でした。
作品に描いてあるモチーフを見つけたり、塗り絵のようなことをしてみたり、BGMをかけてみたり・・・参加者のみなさんが体験的に作品や作者につながるサポートができたので、参加者のみなさんにとっても充実した会になったと感じました。
改めて、こどもに伝わること・わかることは、おとなにも伝わる・わかるんだなぁと思ったので、これからも展覧会や作品に合わせて、よりたくさんの人に「伝わる・わかる工夫」をしていこうと気持ちを引き締めました。

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毎年恒例企画 こどものイベント
「アートな凧をつくってあげよう!」
平成28年12月23日(金・祝)10:30〜15:30
こどものイベント 毎年恒例企画「アートな凧をつくってあげよう!」を開催しました。32名のこどもたちに参加していただきました。

1、ボランティアさんと材料の準備
毎年、同じ型の凧を用意し、参加者のみなさんが思い思いに色を塗ったり、絵を描いたりして「アートな凧」をつくる内容でイベントを行っています。
当日より前に凧の用紙や糸の準備をボランティアのみなさんと行いました。

男性陣が大きな用紙から凧の型を切り取っているところです。

それを女性陣が受け取り、細かな部分を切り取ります。
  
凧の下の方に大きめの穴を2つあけて、空気の通り道をつくっています。

用紙を型どおりに切り終わったら、凧糸を取り付ける部分をつくります。
  
用紙が破れないように、布製のテープで補強してから、ポンチで穴をあけ、そこにハトメをつけていきます。
毎年つくっているので、ボランティアさんもお手の物です!!

凧糸の長さをそろえて人数分切っておいたら、準備完了!
当日を待つばかりです。

2、オリエンテーション
さて、当日を向かえ、参加のこどもたちがそろったところで、オリエンテーションです。
のりちゃん先生がお試しで作成した「アートな凧」を見せているところです。

う〜ん。「アートな凧」って一体どういうこと?
どうやってつくるのが良いか、みんなまだ不安気な表情をしています。
「アート」なアイデアやヒントをもらうために、展覧会場へ出かけて作品鑑賞をしました。

3、ギャラリートーク
マナーを確認してから、みんなで本物の作品を目の前に、ギャラリートークをしました。
ナビゲーターは遊免学芸員。田中敦子さんの《作品》1958年を鑑賞しているところです。

「まるがたくさんある」「まるの色が違うところがある」「線が道で地図みたい」「まるの色が同じところは同じチームで、違う色と戦っているところだと思う」など、イメージを膨らませてのびのびと意見交流をしています。
保護者のみなさんも、こどもたちの豊かなイメージに興味津々!

4、「人のまねをするな!」by吉原治良
展示室でのギャラリートークが終わったら、アトリエへもどり、遊免学芸員からお話をききました。
こちらのスライドに写っているものも、田中敦子さんの作品です。

展示室で鑑賞したものとそっくり!?!?!?

田中敦子さんは、こんな「電気服」を自分の体にまとって、作品として発表したこともあったそうです。

電球の「〇」と電線のうねうねをヒントに、《作品》を制作した、とも言われています。

田中敦子さんが入っていた「具体美術協会」という芸術家のグループには、こんな作品をつくった人もいました。
  
一番左が元永定正さんの《作品》1961年、真ん中が白髪一雄さんの《作品U》1958年、一番右が吉原治良さんの《黒地に赤い円》1965年という作品です。

「具体美術協会」のリーダーだった吉原治良さんやメンバーは、「人のまねをしない」作品づくりをしよう、という目標を立てていたんだって!む・・・むずかしそう!!


5、さぁ、トライアル!実験してみよう。
今日はみなさんも「人のまねをしない」で「アート」な凧をつくってみましょう!
・・・と言っても、アイデアが浮かばない人もいるかもしれないので、筆ではない道具を使って描く"ヒント"を紹介しました。

のりちゃん先生がスポンジを手に持っています。スポンジに絵の具をしみこませて、ポンポンと押してスタンプのように使っても良いし、幅の広い太い線を描くのに使っても良いですよ〜。

他にも、金あみと歯ブラシで絵の具をふりかける技=スパッタリングや・・・


絵の具が乾かないうちに、息を吹きかける技=吹流しや・・・
  

クレパスを重ねて塗り、後から竹ぐしでひっかく技=スクラッチや・・・


シャボン液に絵の具を混ぜて、シャボン玉をつくるという新技や・・・


自分もみんなも「やったことがない」かもしれない方法でいろいろ実験してもらいました。

実験に使う用紙は、もちろん本番と同じ用紙です。
  

   
こんな感じ!
「人のまねをしない」で、自分がおもしろい!と思うことをどんどん進めてもらうと、あっという間にお昼休みの時間になりました。

6、お話タイム。
お昼ごはんを食べて、みんなの元気が復活したところで、午前中に実験をしてみて気がついたことや、わかったことを発表してもらいました。


7、「アート」な凧をつくってみよう!
みんなのお話を聞いて、「なるほど〜」とか「そういうことか!わたしもやってみたい」、「自分はこの方法が一番だと思う!」など、それぞれ感じたことがきっとあったと思います。
次は本番の、凧用紙にやってみよう。

絵の具屋さんから、使いたい色の絵の具をもらってね。

スポンジでトントン!


クレパスで細かな線を入れたり・・・


絵の具の線と、クレパスの線を交わらせてみたり・・・それぞれ自分の思うようにつくっています。


絵の具が足りなくなったら、絵の具屋さんに取りに来てね。


絵の具のぬり方に、“きまり”なんてないのよ!

三者三様です。

絵の具をドライヤーで乾かして・・・


用紙の両端にたこ糸を取り付けたら・・・

完成!

8、ハーバーウォークへ出かけて、アートな凧をあげよう!
今年も凧揚げ日和です!
  
凧糸の長さは80m。全部の糸が張るまで揚げるぞ!と意気込んでいるのは、少年と元少年。
寒さなんて、へっちゃらです。

約30分間、「アート」な凧を揚げて楽しんだ後、毎年恒例の集合写真を撮影して終了です!

自然に笑顔になっちゃうね。

9、ギャラリー
  

  

  

  

  

  

  

  

  

  
  

  

  

  


10、のりちゃん先生からひとこと
今年もさまざまな「アート」な凧ができあがり、楽しげに空へ舞い上がりました。

絵の具やクレパスなどの画材のよさをいかして、にじませたり、重ねたり、ぐちゃぐちゃっとやってみたり、飛び散らせてみたり・・・たくさんの生き生きとした模様が生み出され、きっと吉原治良さんが見ていたらびっくり!しているのではないでしょうか。
中にはそれらの模様から想像してみて、虹や夕焼け、花びらのように見えてきたという人もいて、色や形から「自然」を感じられるって素敵だなぁと思いました。もちろん、カラフルで元気いっぱい!の凧も、なんだか強そう!な凧も素敵ですけどね。
今日の一回きりにしないで、また何度でも凧揚げを楽しんでもらえたらいいな〜と思います。
また来年!!

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世界遺産 ポンペイの壁画展 関連 こどものイベント
「フレスコ画を描いてみよう!」
平成28年12月17日(土)10:30〜15:30
世界遺産 ポンペイの壁画展 関連 こどものイベント「フレスコ画を描いてみよう!」を開催しました。こども・おとな合わせて31名の方々に、参加していただきました。

1、材料の準備
当日の制作がスムーズに行えるよう、一週間ほど前にボランティアさんと準備をしました。
  
パネルにベニヤを貼り付けたり、顔料を入れるためのガーゼを切ったりしているところです。
材料の準備の方法や制作の手順などは、今回、講師として招いた近畿大学教授の岩岡先生からあらかじめ教えてもらっていたので、とってもはかどりました!

2、受付&オリエンテーション
さて、こちらからは当日の様子です。
続々とアトリエ2に参加者のみなさんが集まってきました。

今回は特別に大人個人での参加OKにしたので、"フレスコ画を一度やってみたかった〜!"という大人のみなさんも、こどものようにワクワクしながらのご来場です。

参加者のみなさんがそろったところで、スタッフ紹介をしました。
こちらが今回の特別講師、近畿大学教授の岩岡浩二先生です。

生時代から壁画を専門にしている、スペシャリストです!!

こちらの写真は右側から順に、展覧会担当の岡本学芸員・鈴木学芸員、こどものイベント担当ののりちゃん先生です。

おなじみですね!

その後、展覧会担当の鈴木学芸員からポンペイの壁画展について簡単に紹介してもらいました。

2000年以上も昔に栄えたポンペイの街。ヴェスヴィオ火山の噴火を受け、千年もの間火山灰に埋もれ眠っていたそうです。
そこで発掘された壁画の実物を日本でみることができるなんて、とても貴重な機会なんです〜!

3、ギャラリートーク
展示室でのマナーなどを確認してから、3グループに分かれて展覧会場へ鑑賞に出かけました。

こちらの写真は鈴木学芸員が《赤い建築を描いた壁面装飾》の前でギャラリートークをしているところです。こんなに鮮やかな色合いを今でも感じられるなんて・・・すごい。
建物の描き方も2000年前に描かれたとは思えないような写実的な描き方で、みんなびっくりしています!
神様のようなものや神話の世界に出てくるような動物、女の人の顔なども描かれていて、この前に立つと、わたしたちもタイムスリップしたような気分になりますね。
他にも《テセウスのミノタウロス退治》を展覧会担当の岡本学芸員がファシリテーターになってギャラリートークを行ったり、ヴェスヴィオ火山の噴火の様子をわかりやすく解説したCG映像をみんなでみたりして、鑑賞を深めました。

4、スケッチ
ギャラリートークの後はスケッチです。

今回自分がフレスコで描いてみたいもの(モチーフ)を取り出して、特製のメモ帳にスケッチを残してもらいました。
神話の世界の人物以外にも動物や植物、装飾的に描かれた模様など、いろいろあって迷っちゃう!

5、モルタル(石灰泥)と顔料の準備
参加者のみなさんが展示室で活動をしている時間帯、アトリエ2では、岩岡先生に教えてもらいながら、ボランティアさんとモルタル(≒石灰泥(せっかいでい))と顔料の準備をしました。
  
顔料は水で溶き、モルタルはコテを使ってちょうど良いやわらかさになるまで練り、なじませています。
このモルタルの水分がありすぎても、乾きすぎても描きにくいので、このタイミングにしかできない、貴重な体験です。
描くときは、石灰泥がちょうど良い状態の間、つまり、フレッシュ(新鮮)な間に、描き終えなければならないので、フレスコ(イタリア語で新鮮という意味)と呼んでいるんだって!なるほど!

6、感想の発表
みんなが展覧会の鑑賞からアトリエにもどってきたところで、感想の発表をしました。

「2000年以上の年月が経っているとは思えない鮮やかさや、写実的な描き方に改めておどろいた。」「赤も素敵な色だったけど、ブルーも素敵だった。」「不思議な生き物がいておもしろかった。」など、こどももおとなも、感じたことを素直に発表してくれました。

7、フレスコ画を描いてみよう!
岩岡先生にバトンタッチして、制作の手順やポイントについて紹介してもらいました。

フレスコ画の制作をする機会はあまりないので、「一言も聞き逃さないぞ!」という意気込みでみなさんが真剣に聞いている様子が伝わってきます。
今回用意している顔料は9色ですが、自分なりに混色して表したい色をつくるようにと岩岡先生からアドバイスをもらいました。
カドミウムレッド(赤)・コバルトブルー(青)・イエローオーカー(黄)を利用すると、中間色である紫・緑・橙をつくることができるということや、補色(色相環上で向かい合う色同士のこと)で色を作るとまた違った味わいの色になるということも教えてもらいました。
ふむふむ、混色って楽しそう!試してみたくなるね!

さて、次は描く土台(石灰泥≒モルタル)の準備です。

モルタルをパネルに塗りこめるのですが、これがはじめてだとなかなか難しい・・・。

コテを使って、パネルの周りにつけたベニヤ板の方へモルタルを押し広げていきます。

岩岡先生の手さばきが上手すぎて、とっても簡単そうに見えます!!!

さぁ、みんなもやってみましょう〜。
  
今日はじめて出会った人とも、協力してやってね。
中心から外へ向かってぐっと塗ります。あきらめないで、ファイト!!

モルタルをパネルに塗りこめたら、展覧会場でスケッチしてきたものをもとにして、パネルのサイズにおさまるよう、カルトーネ(原画)を描いていきます。
  

こんな感じ!

この後、色合いを考えるために、色鉛筆で簡単に色を塗っておきました。

このカルトーネには、描いたものの輪郭が点線になるよう、ポンチで穴をあけておきます。
  
カルトーネの下にタオルをひいて、ぷちぷちぷち・・・安全に気をつけてね!

モルタルのパネルに穴をあけたカルトーネを重ね、その上から顔料の入ったガーゼをとんとんとたたいていきます。

顔料が穴を通ってモルタルについたら、転写の完了!

転写まで終わった人から、使う顔料を自分のパレットにとります。

岩岡先生のアドバイスを思い出して・・・どの色を混ぜて使うか、考えて選んでね。

モルタルの水分を調整するために、キッチンペーパーで水分をおさえたり、霧吹きで水分を足したりして、描きやすい状態になったら、描いて描いて描きまくれ〜!
  
ポンペイの壁画は神話の世界を描いたものもあったからでしょうか、イメージが膨らんだので、ユニコーンを描いているようです。
どちらも少しずつ顔料を混ぜて、素敵な色ができあがっていますね。

モルタルの状態が良いと、スラスラスラ〜っと描くことができます。

フレスコ画では、顔料と石灰泥が化学反応を起こして定着するので、"つなぎ"になる定着材が必要ないのです。不思議だなぁ〜。

もう少し説明すると、例えば、水彩絵の具は「顔料+アラビアゴム」、油絵の具は「顔料+オイル」、日本画は「顔料+膠」といったように、絵の具は、顔料をとどめておくための材料を混ぜていることが多いのですが、フレスコ画はそういったものが必要ないのです!
化学反応だから!昔の人って賢い。

どんどん描くのが得意になってきたので、2つめのパネルに突入しています。
場面がつながっているのがおもしろいですね。
地面がてんてんと描いてあるのも素敵です。

おとなも真剣そのもの!
  

8、作品発表会
1時間以上集中して制作をした後、出来上がった作品を持ち寄って、発表会です。

自分の作品についての紹介や、制作した感想を発表してもらいました。

最後に岩岡先生からコメントしてもらい、みなさん大満足の様子で終了です!


9、ギャラリー
  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

10、のりちゃん先生からひとこと

私自身、今回のイベントを企画するまでフレスコ画を描いたことが無かったので、不安でいっぱいでしたが、岩岡先生から"ノウハウ"を惜しみなく教えていただいたので、とても勉強になりましたし、イベントを終えた参加者のみなさんの充実した表情をみることができて、とっても幸せでした。
制作を通して「フレスコ画は唯一、定着材のない絵画」ということを、こどももおとなも実感しながら活動できたと思います。同時に、私たちも参加のみなさんと一緒になって古代都市の文化・文明の高さに感動したり、思いを馳せたりする機会にもなりました。
様々な学問とつながりを持ちながら、多様な芸術を楽しむことを続けていきたいと思います。

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世界遺産 ポンペイの壁画展 関連 こどものイベント
「おやこ解説会〜教えて、ヘラクレスさん!〜」
平成28年12月10日(土) 13:30〜14:00
世界遺産 ポンペイの壁画展 関連 こどものイベント「おやこ解説会 〜教えて、ヘラクレスさん!〜」を開催しました。14組のご家族(36名)の方々に、参加していただきました。

1、レクチャールーム準備
今回のおやこ解説会は、前代未聞!人形劇形式で行いました。

参加者のみなさんが入場する前に、小道具などをセットしました。

美術館の職員を人形担当と声優担当に分け、声優担当の職員は姿を見せないために、こちらのパーテーションの中で待機しています。

おやこ解説会 初!映像記録も撮影しています。

2、レクチャールーム前で受付
時間になり、参加のみなさんが集まってきたところで、受付です。
ボランティアさんにも協力してもらいました。


3、オリエンテーション
みなさんがそろうまで、家族でお話しながら待ってもらっています。

こどもと一緒に家族で参加することができるので、参加者のみなさん同士が安心している様子がみられ、このような機会を設定できて、よかったなぁ〜と思います。

さて、みなさんがそろったので、オリエンテーションをはじめます。
まずはスタッフ紹介からです。

こちらの写真 左から順に、ポンペイの壁画展を担当した鈴木学芸員、こどものイベントでおなじみの遊免学芸員、後藤ミュージアムティーチャーこと のりちゃん先生、右側にいるのが檀ミュージアムティーチャーです。

4、教えて、ヘラクレスさん!
さぁ、勇者のヘラクレスさんから、ポンペイの壁画に描かれているものについて教えてもらいましょう!

ナレーターの鈴木学芸員の合図にあわせて、大きな声でヘラクレスさんを呼んでみましょう!
「ヘラクレスさーん!」

こちらの写真で、緑色の舞台の上にヘラクレスさんのキャラクターがいるのがわかりますか?
彼が生き生きとした声でお返事をくれました。
「みんな、よく来たな。オレがヘラクレスだ!よろしくな!」
このヘラクレスさんの声、実は、展覧会担当の岡本学芸員なのです。

鈴木学芸員が続けます。
「では、まずヘラクレスさんが小さいときのお話を描いた絵を見てみましょう。赤ちゃんのころのヘラクレスさん。何をしているところでしょうか。」

「ヘビをつかんでる!」という声が会場から聞こえてきました。
その通り。兄弟のイフィクレスさんはヘビを怖がっている様子ですが、ヘラクレスさんは、力強くヘビをぎゅう〜っとつかんでいます。
ヘラクレスさんになりきった岡本学芸員の演技が聞こえてきました。
「ばぶ?ばぶばぶ。ばぶ、ばぶ〜!!(訳:なんだ、このヘビは?ぼくは、こんなヘビにやられたりしないぞ。こうしてやるー!)」
赤ちゃんの時から怖いもの知らずで、力も強かったんですね。

次はこちら。鈴木学芸員が少し心配そうに「いつも元気なヘラクレスさん、今日はどうしたんでしょう。」と話しています。
大人になったヘラクレスさんが横になっています。

「うぃ〜、今日は飲みすぎちまったなぁ・・・あぁ、しんどい・・・」
どうやらお酒を飲みすぎて、酔っ払ってしまったみたいです。
「よいしょ・・・よいしょ・・・よいしょ・・・」
ヘラクレスさんの大事なこん棒を、羽の生えたクピド(キューピッド)さんたちがどこかへ持っていこうとしています!起き上がれないヘラクレスさん、大丈夫でしょうか?

最後はこちら。どの人がヘラクレスさんかわかるかな?

参加者の一人がヘラクレスさんがどの人か、すぐに答えてくれました。画面の右側、背中を向けて立っているのがヘラクレスさんですね、正解です。
ヘラクレスさんが「そのとおり!よくわかったな。」とほめてくれてました。
続けて「あれは何だ?あの子ども、何をしているんだ?むむっあれは・・・まさか!わが息子!テレフォス?」とも言っています。
鈴木学芸員のお話によると、ヘラクレスさんが、昔離れ離れになった自分の子どものテレフォスさんと偶然再会して、おどろいている場面だそうです。しかも、その2人の間にはワシの姿に変身したゼウス(ヘラクレスさんのお父さん)もいます。運命的な場面なんですね。

5、もっと教えて、ポンペイの壁画
ここまでヘラクレスさんについて、紹介しましたが、ポンペイの壁画には他にもいろんな神様などが描かれています。

こちらの写真 左から順に、マイナスさん、ディオニュソスさん、ケイロンさん、犬のシュンちゃんです。
さっきまでヘラクレスさんの声を担当していた岡本学芸員が、声色を変えてディオニュソスさんとケイロンさんになりきって、マイナスさんと犬のシュンちゃんは檀ミュージアムティーチャーがなりきって自己紹介しています。
また、鈴木学芸員から、これらの壁画が2000年以上前に描かれたものだということやポンペイという街が火山の噴火による灰で埋もれたことなどを紹介しました。


最後に再び、ヘラクレスさんが登場し、展覧会場でのマナーを伝えています。
今回は、こども向けのワークシートを受付で配布したので、ぜひそれも利用して、鑑賞を楽しんでもらいたいと思います。

6、のりちゃん先生からひとこと
おやこ解説会を、もっとこどもたちが楽しめるように、また展覧会や芸術作品や作者などについて興味関心を深められるようなものにしたい!と考え、パフォーマンス的な要素を取り入れてみました。

今回の展覧会では、神話の場面を描いているものが多く、その物語をこどもたちに伝えるには人形劇のようなものが良いのでは?ということで、鈴木学芸員が執筆したシナリオをもとに、美術館職員で手作りの"劇"となりました。
ところどころで、参加のみなさんの笑いが起こったり、こどもたちが自分から手をあげて質問に答えたりと、あたたかい雰囲気で終えることができたと思います。
展覧会に合わせて、今後も少しずつ変化をつけながら、工夫していきます。

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県美プレミアムV 関連 こどものイベント 
「写真の謎に迫る!カメラ・オブスキュラをつくろう」 「こどものための美術鑑賞ツアー」
平成28年11月19日(土)・20日(日) 11:00〜12:30/13:15〜15:00
県美プレミアムV 関連 こどものイベント「写真の謎に迫る!カメラ・オブスキュラをつくろう」と「こどものための美術鑑賞ツアー」を開催しました。
毎年秋の土日には、「関西文化の日」を設定しており、どなたでも県美プレミアムの展覧会が無料でご覧いただけるのです!この「関西文化の日」に日程を合わせて、今回のイベントを行いました。
2日間合わせて、97名の方々に、参加・参観していただきました。
ここでは、「県美プレミアムV 小企画 ハナヤ勘兵衛の時代デェ!!」に関連して考えた「写真の謎に迫る!カメラ・オブスキュラをつくろう」について紹介します。

1、アトリエ2で受付
イベントに参加したい!という人は、アトリエ2で名簿に名前を記入するなどの受付をしました。
今回はなんと、事前申込み無しです★

こちらの写真は「こどものイベントカード」に参加シールを貼っているところです。
参加シールが10枚貯まると、兵庫県立美術館ならではの素敵な宝物をプレゼントしています!
ぜひリピーターになって、プレゼントをもらってね。

受付を済ませたら、こちらのワークシートのセットをみなさんに配布し、ハナヤ勘兵衛さん(ハナ勘さん)の写真の展覧会の鑑賞に出かけてもらいました。

ワークシートには、展示室でのマナーや、ハナ勘さんの作品を展覧会場で見つけて鑑賞し、気付いたことをメモするところや、カメラの原理を紹介するページを用意しました。
ワークシート・ボード・鉛筆を持って、さぁ、展示室へ!

2、ハナ勘さんの写真を鑑賞しよう
こちらが、ハナ勘さんの展示室での様子です。
 
こどもも大人もじっくり鑑賞している様子が伺えます。
ハナ勘さんならではのトリミングされた構図や、独特な写真のプリント方法、モノクロ写真の生み出す静かな空気感は、見ている人の時も止めてしまうようです。

こどもたちの鑑賞の助けになるよう、ボランティアさんとお話ししながら作品を楽しんでもらいました。
 
低学年の子も一生懸命メモをとってくれて、とても嬉しかったです。

みなさんが残したメモを少し紹介します。

《船B》は、最初「ビル」に見えたそうです。「ぶつぶつがある。」ことにも気付いてくれました。

《シルクハット》では「パーティーしてる人」がいて、その人達は「むかしの人」で、「おたんじょうびかいしてる」ような場面をイメージしてくれました。また、ハナ勘さんは「しゃしんをこすってぼやけさせている」のではないか?と技法の予想までしてくれました。

個人的に「気になった」作品についても、メモを残してくれました。

《フォトモンタージュ(ピエロ)》について書いてあります。
「『わ』みたいのがひかってて、ユーフォーみたいなのを その人が 見てたからふしぎだな とおもった。」そうです。現実ではないような世界を感じ取ってくれたのかな、と思います。

こちらは《貝殻》のスケッチです。

貝殻が宙に舞っているような、バラバラとした配置/構成をしっかりかき止めていますね。

3、アトリエ2に戻って、カメラ・オブスキュラをつくろう!
ここからが本番です!
展覧会の鑑賞を終えたら、写真やカメラの仕組みについて楽しく学べるよう、カメラ・オブスキュラの工作をしてもらいました。

1つのトレーに、牛乳パック・組み立て用の黒い画用紙・トレーシングペーパー・凸レンズなどの1つ分の制作セットを用意しました。
どれでもだいたい一緒だけど、どれが良いかな〜?

制作セットの中の材料を使って、組み立てていきます。

牛乳パックはあらかじめクチと底を切り取ってあるものを使い、その片側に製本テープでトレーシングペーパーを貼ります。
このトレーシングペーパーが、図像の写るスクリーンとなります。

組み立て用の黒い画用紙は、牛乳パックのひと回り大きいサイズになるよう、展開図の形に切り取ってあります。
これに凸レンズを取り付け、組み立てていきます。

1人で作るのが難しいときは、保護者の方やボランティアさんに手伝ってもらいながら作ります。
それぞれ組み立てが終わったら・・・完成!!

黒い画用紙で作った凸レンズのくっついた箱の中に、トレーシングペーパーを貼った牛乳パックを入れて、のぞきながら凸レンズのピントが合うように牛乳パックをずらしていくと・・・見えた!

トレーシングペーパーに向こう側の風景が写ります。しかも・・・逆さまで!
光の屈折でそうなるのですが、これには、こどももおとなもビックリ。
この写っている(一瞬の)風景をずっと残しておくために、写真の技術が発展していったんですね。

こどもたちは、きっと"フィルムカメラ"(日本でも20世紀後半にたくさんの人が使った)のことを知らないんじゃないか?ということで、簡単にフィルムカメラ(感光すること)の紹介をしました。
今日作った"カメラ・オブスキュラ"のトレーシングペーパーの部分が"フィルム"を入れる場所だったと考えるとわかりやすいですね。

美術館でも当時の活動の記録写真はフィルムカメラでした。
今回は特別にその資料をみなさんに披露したので、特に大人のみなさんはこういった"フィルム"を懐かしんでくれました。


みなさん、完成した"カメラ・オブスキュラ"をとっても気に入ってくれたみたい!
いろんな場所でのぞいてみたり、スマートフォンのカメラで記念撮影をしたり、スクリーンに映った図像をはっきり見るため写真屋さんのように黒い布をかぶってみたり・・・写真の楽しさをめいっぱい味わってもらえたようです。

4、のりちゃん先生からひとこと

ハナ勘さんの作品は、"フィルムカメラ"がたくさんの人の手に渡るより少し前に制作されたものです。しかも独自の工夫をこらして撮影/プリントしていることもあり、ハナ勘さんの写真技法をこどもたちに完璧に伝えることは難しいのですが、"風景を切り取って残したい""記録としての写真というより、作品としての写真をつくりたい"という気持ちは、こどもたちに伝わったのではないかと思います。
展覧会観覧無料のこの2日間を活かして、制作の後も展示室へ鑑賞に出かけた参加者の方もいらっしゃったそうです。『制作を通して鑑賞が深まる』ことは、こどものイベントの目的であり理想なのですが、それを少しでも感じてもらえたのかな、と思います。


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