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「パウル・クレー展」創造をめぐる星座。Paul Klee, Solitary and Solidary

パウル・クレー《北方のフローラのハーモニー》
1927年 パウル・クレー・センター(リヴィア・クレー寄贈品)
「パウル・クレー展」創造をめぐる星座。Paul Klee, Solitary and Solidary
会期は2025年3月29日[土]-5月25日[日]

スイス・ベルン生まれのパウル・クレー(1879-1940)については、過去に日本国内においても重要な回顧展が数多く開催されてきました。しかしそれら従来の展覧会において、彼が活躍した20世紀前半の美術動向や同時代に活躍したその他の作家との交流関係に限定すれば、必ずしも詳細な研究に基づく内容の展開の充実にまでは至っていませんでした。
当館を含め国内3館を巡回する本展では、ベルンのパウル・クレー・センターとの学術的な協力のもと、キュビスム、表現主義、ダダ、シュルレアリスムといったクレーと同時代の美術動向にも目を向け、他作家の作品とあわせて展示することで、クレーの独自性にとどまらずその同時代性や交流などにも焦点を合わせます。なお本展は当館では10年ぶりの開催のクレー展となります。

パウル・クレー展
創造をめぐる星座
Paul Klee, Solitary and Solidary

■会期

2025年3月29日[土]-5月25日[日]

■休館日

月曜日
※5月5日[月・祝] は開館、5月7日[水]は休館

■開館時間

午前10時-午後6時
入場は閉館30分前まで

■会場

兵庫県立美術館 3階 企画展示室1, 2, 3
アクセス

主催 兵庫県立美術館、産経新聞社、関西テレビ放送
協賛 DNP大日本印刷、アイシン、公益財団法人伊藤文化財団
学術協力 パウル・クレー・センター
特別協力 東京国立近代美術館、 公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部
Zentrum Paul Klee Bery

■観覧料

  当日 団体
20人以上
前売
3/28まで
一般 2,000円 1,600円 販売終了
大学生 1,500円 1,200円 販売終了
高校生以下 無料 -
70歳以上 1,000円 800円 -
障害者手帳等
お持ちの方
一般
500円 400円 -
障害者手帳等
お持ちの方
大学生
350円 300円 -
※コレクション展は別途観覧料が必要です(本展とあわせて観覧される場合は「割引」があります)
※障害者手帳等をお持ちの方1名につき、その介助の方1名無料
※一般以外の料金でご利用される方は証明書を観覧当日ご提示ください
※混雑時は人数制限を行いますのでお待ちいただく場合があります

■主なチケット販売場所

公式オンラインチケット
チケットぴあ(Pコード:687-122)
ローソンチケット(Lコード:55615)
イープラス
セブンチケット(セブンコード:108-424)
CNプレイガイド
アソビュー!
楽天チケット
近鉄営業所
チケットポートなんば

■クレー展チラシ

こちらから

■『みんなの鑑賞ガイド』

こちらから

■出品リスト

日本語 ・ English

展覧会公式サイト
https://www.ktv.jp/event/paulklee/
関連事業

パウル・クレー展講演会 「パウル・クレー 転換するコンステレーション」


講  師:黒田和士氏(愛知県美術館学芸員・本展企画者)
開催日時:令和7年3月29日(土) 14:00~15:30
開催場所:兵庫県立美術館 KOBELCOミュージアムホール
定  員:150名(先着順)
参 加 費:無料(ただしパウル・クレー展の観覧券(半券可)の提示が必要です)

詩と音楽で綴るパウル・クレーの世界 -谷川賢作コンサート-

ピアニスト・作曲家の谷川賢作さんと、ソプラノ歌手の深川和美さんを招き、音楽と歌と詩の朗読によるコンサートを開催します。
谷川賢作さんの父、詩人の谷川俊太郎さんが手がけたクレーを題材にした詩集から、クレーの世界を音楽でつむいでいきます。
出  演:谷川 賢作(ピアニスト、作曲家)、深川 和美(ソプラノ歌手)
開催日時:令和7年4月11日(金) 15:00開演(開場は14:15から)
開催場所:兵庫県立美術館 KOBELCOミュージアムホール
参 加 費:1,000円 ※クレー展観覧券(半券可)の提示が必要。(高校生以下は参加費のみ、観覧券不要)
参加申込:事前申込制(※募集開始は3月21日(金)~)

下記の申込みフォームからお申し込みください。(3/21より)
※定員に達した時点で受付終了します。
https://www.e-hyogo.elg-front.jp/hyogo/uketsuke/form.do?id=173960035459

「パウル・クレー」展 学芸員による解説会


開催日時:令和7年4月13日(日)、4月29日(火・祝)、5月18日(日) 15:30~16:15
開催場所:兵庫県立美術館 レクチャールーム
定  員:80名(先着順)
参 加 費:無料

こどものイベント「絵を切って貼ってもういちどつくろう!」(仮題)


開催日時:令和7年4月26日(土) 10:30~13:00
開催場所:兵庫県立美術館 アトリエ2
※詳細は美術館ホームページでお知らせします

<特別展・コレクション展Ⅰ>ゆっくり解説会 in Spring(手話通訳・要約筆記付き解説会)

特別展「パウル・クレー展」「コレクション展Ⅰ」の担当学芸員が、展覧会の見どころを手話通訳と要約筆記を交え、 普段よりも「ゆっくり」したペースでお話しする解説会です。
開催日時:令和7年5月11日(日) 13:30~14:25
開催場所:兵庫県立美術館 レクチャールーム
参 加 費:無料
定  員:60名(先着順)

ミュージアム・ボランティアによるスライド解説


開催日時:会期中の毎週日曜日 11:00~(約15分)
開催場所:兵庫県立美術館 レクチャールーム
定  員:80名(先着順)
参 加 費:無料
展覧会構成
1
詩と絵画
本章ではクレーがミュンヘンのアカデミーに学び、その後、故郷のベルンで限られた友人との交流の中で制作を始めた頃から、再びミュンヘンに出てカンディンスキーやマルクら青騎士の芸術家たちと出会うまでを扱います。

パウル・クレー《喜劇役者》
1904年 愛知県美術館

パウル・クレー《リリー》
1905年 パウル・クレー・センター
(リヴィア・クレー寄贈品)

パウル・クレー《座っている少女》
1909年 パウル・クレー・センター
2
色彩の発見
青騎士との交流を経て、クレーが1912年にパリを訪れたことは、その後の彼の創作活動に重要な影響を及ぼしました。本章ではピカソやブラックらによるキュビスムの作品とともに、ソニア&ロベール・ドローネーとの出会いやチュニジア訪問によってもたらされた色彩の開花について取り上げます。

ジャコモ・バッラ
《太陽の前を通過する水星のための習作》
1914年 愛知県美術館

アウグスト・マッケ
《明るい家(第1版)》
1914年 ベルン美術館

パウル・クレー《北方の森の神》
1922年 パウル・クレー・センター

パウル・クレー
《ハマメットのモティーフについて》
1914年 バーゼル美術館
(本邦初公開)
3
破壊と希望
第一次世界大戦によってマルクやマッケら青騎士の友人を失ったクレーは、戦争への批判的な態度をそれまでになく強め、自作の切断-再構成を実践していきます。本章では戦争がクレーの作品に及ぼした影響を検証し、あわせて従来のヨーロッパ文化を否定するダダの作家たちがクレーの作品を積極的に展示した事例を紹介し、その交流に迫ります。

フランツ・マルク 《冬のバイソン(赤いバイソン)》
1913年 バーゼル美術館

パウル・クレー《淑女の私室でのひとこま》
1922年 パウル・クレー・センター
4
シュルレアリスム
1924年にブルトンが提唱した「シュルレアリスム宣言」で、クレーはその先駆者のひとりとして挙げられ、翌年のシュルレアリスム絵画展に作品が出品されました。クレー自身はこの運動に帯同しませんでしたが、その作風にはシュルレアリスムの文脈からの解釈の可能性を示しています。本章ではクレーとシュルレアリスムの交流を紐解きつつ、両者の解釈にさらなる検証を加えます。

パウル・クレー《闘っているポップとロック》
1930年 パウル・クレー・センター

パウル・クレー《熱帯の花》
1920年 パウル・クレー・センター

パウル・クレー《バラの風》
1922年 パウル・クレー・センター
(リヴィア・クレー寄贈品)

パウル・クレー《周辺に》
1930年 バーゼル美術館
(本邦初公開)
5
バウハウス
クレーは1919年にバウハウスのマイスターとして招聘され、このことは彼が自らの造形論を明確化する重要な契機となりました。本章ではクレーがバウハウスで築き上げた造形論を紹介し、バウハウスが推奨した構成主義的な傾向が彼の創作活動に及ぼした影響を検証します。あわせて彼が深く関わった織物工房の活動と「方形画」と称する作品群との関連についても検証していきます。

パウル・クレー
《窓のあるコンポジション》
1919年 パウリ・クレー・センター

リオネル・ファイニンガー
《海辺の夕暮》
1927年 広島県立美術館

パウル・クレー
《赤・黄・青・白・黒の長方形によるハーモニー》
1923年 パウル・クレー・センター
6
新たな始まり
1931年にデュッセルドルフ美術アカデミーで教職に就いたクレーは、2年後のヒトラー政権樹立により退廃的な「ユダヤ人」とみなされ、ベルンへの帰郷を余儀なくされ、140点もの自作が「退廃芸術」として美術館から没収されました。本章ではクレー自身とその時代の危機的状況が自らの創作活動にどのように反映されたかを確認しつつ、新たな販路として見出したアメリカでの受容や、晩年に集中的に制作された、イメージと文字との境界を探るような作品群について紹介します。

パウル・クレー《殉教者の頭部》
1933年 パウル・クレー・センター
(リヴィア・クレー寄贈品)

パウル・クレー《恐怖の突発Ⅲ》
1939年 パウル・クレー・センター

パウル・クレー《腰かける子ども》(部分)
1933年 宇都宮美術館
※4月29日から展示

パウル・クレー
《無題(最後の静物画)》
1940年 パウル・クレー・センター
(リヴィア・クレー寄贈品)