コレクション展Ⅱ 2019年7月6日[土] - 11月10日[日]
特集1 けんび八景 新収蔵作品紹介
特集2 没後80年村上華岳

前川千帆《猫》1959年 木版、紙
特集1 けんび八景 新収蔵作品紹介
兵庫県立美術館では、前身である兵庫県立近代美術館(1970年開館)から継続的に作品収集を続けてきました。これまでに収蔵された作品数は10,000点以上にのぼり、これらの収蔵品を、年3回開催されるコレクション展で、様々なテーマのもとに展示しています。
2019年度の第Ⅱ期のコレクション展では「けんび八景」(※)と題し、ジャンルや時代の異なる作品群をそれぞれ次の8つの「景色」に見立て、2018年度に新たに収蔵された作品をそれらの「景色」の中で紹介します。
(※けんび=県美=兵庫県立美術館)

第一景


菅井汲《空の怒り》1986年 油彩、アクリル、布

菅井汲 生誕100年!

神戸に生まれ、1952年以降パリを拠点に制作を行い、国際的な評価を得た画家、菅井汲(1919-1996)の1950年代から90年代までの作品を、新収蔵作品を含め紹介します。荒い筆触を際立たせた初期の作品から、明確な輪郭と原色による平滑な色面で構成される作品まで、菅井の作風の展開をたどります。(常設展示室1)

第二景


小林二郎《生》1956年 油彩、布

50年代の地平―制作者集団「極」

1956年に結成された制作者集団「極」は、戦後急速に進んだ民主化の陰に潜む社会の矛盾や人間の苦悩を、具象とも抽象ともつかない独自の表現で描き出しました。ここでは「極」の作家、小林二郎、片山昭弘、久保晃の作品を展示します。 (常設展示室1)

第三景


前川千帆《猫》1959年 木版、紙

かわいい版画

版画は当館の重要な収集対象の一つであり、収蔵品の中でも大きな割合を占めています。ここでは近現代の日本の版画コレクションの中から、身近なモチーフを題材にしたシンプルで明快な造形と色彩による魅力的な作品を展示します。(常設展示室1)

第四景


金山平三《菊》1921年頃 油彩、布

瓶花の魅力

花瓶に活けられた花は多くの画家たちによって描かれてきました。花の美しさを描くだけでなく、瓶花静物は画家たちにとって、モチーフの組み合わせや構図、色彩やかたちのバランスや調和などを試す格好の題材でもありました。(常設展示室2)

第五景


小出楢重《裸女》1925年 油彩、紙

1920~30年代の絵画
―青山熊治と小出楢重

このたび、青山熊治(1886-1932)や小出楢重(1886-1931)をはじめ、1920年代から30年代にかけて描かれた作品がコレクションに加わりました。西洋から移入した油彩画による表現が成熟し、日本的表現としてひとつの達成をみたとされるこの時代の洋画を展示します。(常設展示室2)

第六景


吉原治良《黒地に赤い円》1965年 アクリリックカラー、布

具体の作家たち

1954年に吉原治良によって結成され、従来の美術の概念を覆す独創的な創作活動により国内外から注目された具体美術協会。吉原の、「人の真似をするな」という指示のもと、従来の美術の概念を覆す大胆な試みが行われ、その活動は、今日もなお国内外から熱い視線が注がれています。(常設展示室3)

第七景


田淵銀芳《流氓ユダヤ》1941年
ゼラチンシルバープリント

流氓るぼうユダヤ

1941年、いわゆる「命のビザ」を携えて神戸に滞在したユダヤ難民を写した一連の写真を展示します。当時大阪で結成されたアマチュア写真倶楽部である「丹平写真倶楽部」のメンバーであった安井仲治(1903-1942)、椎原治(1905-1974)、田淵銀芳(1917-1997)によって撮影されたこれらの写真には、束の間の休息を得てくつろいだ表情をみせる亡命ユダヤ人たちの姿が克明にとらえられています。 (常設展示室3)

第八景


大西伸明《kyatatsu》2017年 樹脂に塗装

空間の中のかたち

当館の収集の柱のひとつである近・現代彫刻を紹介します。「美術の中のかたち―手でみる造形」の開催にあわせ、ブロンズ彫刻を中心に構成するとともに、新収蔵作品 を紹介します。(常設展示室5)

特集2 没後80年村上華岳

前期:7月6日[土]~9月8日[日]
後期:9月10日[火]~11月10日[日]

村上華岳
《菩提樹下観法之図》
1934年 紙本淡彩

村上華岳《早春風景》
1919年(前期展示)

村上華岳(1888-1939)は大阪に生まれ、京都市立絵画専門学校で学び、後半生は神戸の花隈で制作を行った日本画家です。文展の審査に不信を募らせた仲間とともに1918年、国画創作協会を結成、新しい絵画表現に挑みました。仏や六甲の山々を描いた風景画などを主に描き、墨線を主体とした繊細な線描による精神性の高い作品を発表、その独特な表現は今もなお観る者を惹きつけます。
兵庫県立美術館は前身の近代美術館時代より、華岳を兵庫県ゆかりの重要作家と位置づけ、常設展など様々な機会で紹介してきました。没後80年を迎える本年、開館以来購入、寄贈等により収集されてきた当館の華岳コレクションを前期後期に分けて展示し、その絵画の魅力に迫ります。(常設展示室6)

小磯良平記念室

気品のある優美な女性像で知られる近代日本洋画の巨匠、小磯良平(1903-1988)。2018年度に新たに1点、女性を描いた優品がコレクションに加わりました。時代を経ても色あせることのない、小磯の世界を新収蔵作品も含め当館選りすぐりのコレクションを通して紹介します。


金山平三《無題(海岸)》1935年頃 油彩、布

金山平三記念室

金山平三(1883-1964)は神戸に生まれ、前半生は帝展作家として中央画壇で活躍、後半生は日本各地を旅し、四季折々の日本の風景を描きました。澄んだ色彩と卓越した筆さばきで描かれた数々の秀逸な風景画のうち、今回は水辺の風景を描いた作品を中心に、2018年度の新収蔵作品も含め展示します。

関連イベント

学芸員によるギャラリートーク
8 月3 日(土)、9 月21 日(土)
※いずれも午後4 時より(所要時間:45 分)
※参加無料、要観覧券

ミュージアム・ボランティアによるガイド・ツアー
会期中の金・土・日曜の午後1時から(所要時間:45 分)
※参加無料、要観覧券

こどものイベント
「くみあわせよう!」
日時 2019年10月5日(土) 13:30~16:00(受付13:15~13:30)
場所 アトリエ2、常設展示室
対象 小学生以上(高校生以下)とその保護者
   ※小学校2年生以下は保護者同伴が必須
参加費 ¥300-
   ※保護者の方は観覧料400円(団体料金)のみ必要です。
定員 20組
   *要事前申込み 9月5日(木)10:00から電話受付開始・先着順