現在活躍しているアーティストを紹介するチャンネル展の第12回目として、兵庫県出身で同地を拠点に活動する飯川雄大(1981年-)の展覧会を開催します。飯川は、人の認識の不確かさや、社会で見過ごされた存在に注目する作品を作ってきました。
2007年から継続しているシリーズ「デコレータークラブ」は、世界中の海に生息し、周辺の環境に擬態する性質を持った蟹(Decorator Crab)から着想したプロジェクトです。何かわからないものを見つけた時の驚きを他者に伝えることの難しさになぞらえ、認識と現実の間にあるズレを可視化する実践を続けています。写真に収めたくても全貌を写すことができない《ピンクの猫の小林さん》(2016-)、鑑賞者の行為によって別の空間に新しい出来事を起こす《0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2019-)など、飯川は美術鑑賞のルールを利用して新たな体験を生み出しています。
本展「デコレータークラブ メイクスペース、ユーズスペース」は、鑑賞の方法を刷新し、美術館あるいは観客を拡張していくことを試みます。展覧会の全容すら捉えがたく、伝えるのが困難だからこそ誰かに伝えたくなるこの稀有な機会をぜひお楽しみください。
アーティストメッセージ
サッカーが上手くなりたくて神戸のサッカー教室に通っていた時、コーチのネルソンさんが教えてくれたのが「Make space! Use space!」という言葉。パスの出しどころや走る場所がなくて、プレーが止まってしまう前に、まず自分が動いてフリーな場所を作る、そしてその場所を使えということだ。この言葉は作家活動にも通じると思っている。アーティストってたくさんいるし、すでに面白い作品や表現はたくさんある。だから作品を発表する機会があってもなくても、自分で場所やタイミングを作って、いつでもどこでも観客に“仕掛ける”ことができたらいい。
「デコレータークラブ -メイクスペース、ユーズスペース」では、美術館という装置を使って新たな場をつくり、仕掛けてみようと思う。0人もしくは1人以上の観客に向けて。
「注目作家紹介プログラムチャンネル」は、担当学芸員がいま最も注目すべきと考える作家を個展形式で紹介してきました。美術館を訪れる人と同時代を生きる美術作家が、さまざまな「チャンネル」を通じ、出会う機会となることを目指しています。
主催 | 兵庫県立美術館 |
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協賛 | 公益財団法人伊藤文化財団 |
助成 | 公益財団法人朝日新聞文化財団 公益財団法人小笠原敏晶記念財団 公益財団法人中内力コンベンション振興財団 |
3月5日(土)午後1時
1981年 | 兵庫県生まれ、在住 |
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2003年 | 成安造形大学芸術学部 情報デザイン学科ビデオクラス卒業 |
2021年 | 「どこかで?ゲンビ ビデオアート編」 広島市現代美術館・鶴見分室101(広島) |
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2021年 | 「つくりかけラボ04 飯川雄大 デコレータークラブ- 0人もしくは1人以上の観客に向けて-」千葉市美術館 |
2021年 | 「ハイライトシーン」ギャラリートラック(京都) |
2020年 | 「KAATアトリウム映像プロジェクト vol.15 飯川雄大」KAAT神奈川芸術劇場(神奈川) |
2020年 | 「デコレータークラブ-知覚を拒む」 高松市美術館(香川) |
2020年 | 「デコレータークラブ-ピンクの猫の小林さん」並木クリニック(神奈川) |
2020年 | 「Decorator Crab ?Mr. Kobayashi, The Pink CAT ? Park Lane in Taichung City」台中市西區公益路68號(台湾) |
2019年 | 「デコレータークラブ-遠近の設計図-県北芸術村推進事業交流型アートプロジェクト2019」 高萩市秋山中学校、高萩市高萩中学校、高萩市松岡中学校(茨城) |
2019年 | 「デコレータークラブ-0人もしくは1人以上の観客に向けて-」Art Center Ongoing(東京) |
2018年 | 「A-Lab Exhibiton Vol.16 飯川雄大 デコレータークラブ 配置・調整・周遊」 あまらぶアートラボA-Lab(兵庫) |
2016年 | 「ひとりはみんなのために」HOTEL ANTEROOM KYOTO GALLERY 9.5(京都) |
2015年 | 「ハイライトシーン」 高架下スタジオ Site-A ギャラリー(神奈川) |
2013年 | 「たいけんびじゅつかん特別展 遭遇するとき-Happening Upon-」 滋賀県立近代美術館ギャラリー(滋賀) |
2022年 | 「感覚の領域 今、「経験する」ということ」国立国際美術館(大阪)(予定) |
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2021年 | 「すみだ向島EXPO2021」京島エリア・元お茶屋(東京) |
2020年 | 「ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」」PLOT48(神奈川) |
2019年 | 「美術館の七燈」広島市現代美術館(広島) |
2019年 | 「六本木クロッシング2019展:つないでみる」森美術館(東京) |
2017年 | 「ゲンビどこでも企画公募 2017」広島市現代 美術館(広島) |
2016年 | 「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016」六甲有馬ロープウェー 六甲山頂駅(兵庫) |
2016年 | 「デコレータークラブ-衝動とその周辺にあるもの-シオヤプロジェクト」 塩屋東市民公園(兵庫) |
2016年 | 「ROLE PLAY」スハラビル202号室(大阪) |
2014年 | 「私の神さま|あなたの神さま」セイアンアートセンター(滋賀) |
2014年 | 「テラトテラアートプロジェクト-シビックプライド-」三鷹市周辺(東京) |