



ADAGP,
Paris & SPDA, Tokyo, 2006
《ヴェニスの女VIII》1956年
アサヒビール株式会社 |
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《ヤナイハラI》1960年
A.&A.ジャコメッティ財団、パリ
Photo by Marc Domage / Fondation Alberto et Annette Giacometti, Paris
ADAGP,
Paris & SPDA,
Tokyo, 2006 |


一見してそれとわかるアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)の特異な作品は、見る人に忘れがたい鮮烈な印象を与えます。間違いなく20世紀を代表する芸術家のひとりでありながら、その作品は他に例をみず、全く独自の位置を占めています。
彫刻と絵画の双方を通じ、ジャコメッティがわき目もふらず取り組み続けたのは、人物を「見えるがままに」表そうという、単純なようで実は不可能に近い試みでした。それにしても「見えるがままに」表すとは、一体どういうことなのでしょう。そもそもわたしたちが、ある人物を「見る」とはどういうことなのでしょう。このように考えてゆくと、異様なまでの求心力をもつジャコメッティの作品は、わたしたちがいま、ここにあるということ自体の不思議を問いかけているようにも思われます。
パリのアルベルト&アネット・ジャコメッティ財団との共催により開催するこのたびの展覧会は、同財団の所蔵品をはじめ国内外より集めた140点近くの作品により、この希有な芸術家の魅力を紹介するものです。またこの展覧会では、ジャコメッティの類い稀なる試みをモデルとして共有した日本人哲学者、矢内原伊作(やないはらいさく)との交流にも焦点をあてます。矢内原をモデルにした作品や、矢内原の手許に残されたジャコメッティ作品をはじめ、写真や手紙などの貴重な資料も展示し、おそるべき集中力にみちたジャコメッティの創造の現場を様々な角度から紹介します。 |
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