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シルクロードの中でも東西交易の中継地点として様々な文化が交錯した中央アジアでは、古来より生活と伝統に根付いた豊かな染織の世界が展開してきました。遊牧の民であったこの地の人々は、自らの歴史を書き残す術を持ちませんでしたが、厳しい自然の中で生み出された官能的で鮮やかな色彩にあふれた染物や織物によって、その文化は今に伝えられています。 旧ソビエト連邦に中央アジア地域が組み込まれた時代、民族的意識が否定され抑圧される中で、彼らは自らの伝統技術を維持継承してきました。1991年ソビエト連邦が崩壊した後、これらの地域にウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギス、タジキスタン、カザフスタンという国々が生まれましたが、このときから世界は再び彼らの美しい染織品や装身具に触れることができるようになりました。 現代のファッション界においてもその影響は大きく、多くのデザイナーたちがそのインスピレーションの源を中央アジアのシルクロード地域に求めています。この数年間のパリ・コレクションをみても、ジョン・ガリアーノは「ノマド(放浪の民)」をテーマにシルクロードをイメージし、アントワープを拠点とするドリス・バンノッテンやベルンハルト・ウィルヘルムらも、中央アジアの染色品や民族衣装をもとにした独創的な作品を発表しています。手工芸的な魅力とそれぞれの民族的伝統に支えられたフォークロア・ファッションは、今やファッション界の大きな潮流となっています。 本展では、パリ・コレクションに見られるデザイナーたちのシルクロード・ファッションと、そのデザインの創造源となった中央アジア・シルクロード地域の民族衣装や装身具など、合わせて約300点を展示し、遊牧の民の伝統と現代のファッションとの深いつながりを紹介します。 全国3会場を巡回してきた本展は、神戸会場が最後の開催地となりますが、最も数多くの作品や資料が展示され、他会場にない展示空間で存分にご観賞いただきます。 |
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![]() 【講演会】 「今日のファッションとシルクロードの染織」 中上正美子氏(本展監修者) 9月19日(日) 14時から約90分 於・ミュージアムホール 聴講無料/自由参加/定員250名(会場は13時30分) 【関連行事】 ![]() 「シルクロードの祝祭―音楽と踊りにみる中央アジア」 池田宏子(踊り)/木場大輔(胡弓など)/きしもとタロー(打楽器など) 10月31日(日)午後2時〜約1時間 展覧会場内(入場チケットが必要です) 【解説会】 担当学芸員による解説会 9月26日(日) 14時から約60分/於・レクチャールーム 無料/自由参加/定員100名(会場は13時30分) |
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