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作者不詳
《上海バンド(外灘)》
1880年−90年代
福岡アジア美術館所蔵 |

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ハン・ジイン/ジイン画室
《上海聯海上保険有限会社
ポスター》
1925年
福岡アジア美術館所蔵 |

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ウィリアム・サンダーズ
纏足の上海婦人
1870年
福岡アジア美術館所蔵 |
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ハン・ジイン/ジイン画室
《アンカー・ビール・ポスター》
1920−30年代 福岡アジア美術館所蔵
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日本における中国美術の紹介は、主として清代以前の古い文物を通して行われるか、近年は国際舞台でめざましく活躍する現代美術の作家に注目が集まるかであった。そうした中で本展は、中国の近代美術と大衆的な視覚文化までを視野にいれた、これまで語られることのなかった中国の近代美術の一つの流れに光りをあてるもので、日本ではほとんど初めての試みである。
本展では、18世紀に西洋人向けに制作された作品から、19世紀前半の西洋人向け輸出用絵画「チャイナ・トレード・ペインティング」、そしてその技法を受け継ぎ香港や上海で制作された20世紀前半の商業ポスターとその原画、中華人民共和国時代になって制作されプロパガンダの役目も果たした「新年画」などを紹介する。
以上のようなジャンルの作品を通して中国独自の文脈に即した近代美術の流れの一つを明らかにすると同時に、本展で紹介する各作品が、当時の西洋のモダニズムや中国の近代化を推し進めようとする都市の人々、政治家のまなざしが不可分に結びつきながら、その時代の異国趣味、商業性、政治色などの要素によって洗練されていく、という今日的でアジアに普遍的な問題を呈示するものでもある。
これらの作品は、しばしば幻想的な風景であったり、人々の近代的な西洋文化への憧憬をかきたてるものであったり、国家や人民の理想像であったり、あるいは人民に輝かしい未来を夢想させるものであったりする。そうした、幻想、夢、憧憬、理想等のキーワードを包括させるため、また作品のもつロマンチックな魅力を一般の観衆に伝えるために、展覧会の名称には「ドリーム」という外来語を当てている。
本展は、西洋近代美術の文脈ではなく、アジア独自の近代美術の文脈を構築することを目指すものでもある。 |
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作者不詳
《広東の商館》
1805年頃
福岡アジア美術館所蔵 |
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フー・ボシアン(胡伯翔)
《駐華英美たばこ会社ポスター》
1930年
福岡アジア美術館所蔵 |
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作者不詳
《平和への愛》
1950年代
福岡アジア美術館所蔵 |
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