コレクション展I
開館時間:
午前10時‐午後6時
特別展開催中の金・土曜日は午後8時まで開館(入館は閉館30分前まで)

休館日:
月曜日(月曜日が祝日の場合は開館、翌日の火曜日休館)

観覧料金:
一般:500円 (400円) 〈300円〉
大・高生:400円 (320円) 〈240円〉
中・小生:250円 (200円) 〈150〉円
※( )内は20名以上の団体割引料金、〈 〉内は特別展セット料金
※兵庫県内の小中学生はココロンカードの提示により無料
※障害のある方とその介護の方(1名)は半額
※兵庫県内在住の65歳以上の方は一般料金の半額

会場:
兵庫県立美術館 1階常設展示室1・2
主催:
兵庫県立美術館
兵庫県立美術館 Hyogo Prefectural Museum of Art

〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
TEL. 078-262-0901(代)

阪神岩屋駅から南に徒歩8分、JR神戸線・灘駅から徒歩約10分、阪急神戸線・王子公園駅から徒歩約20分

関連イベント

ミュージアム・ボランティアによる
コレクション展ガイドツアー

コレクション展の見どころを1階、2階、屋外に分け、当館ミュージアム・ボランティアが作品を前にご紹介します。
毎週 金・土・日曜日 13:00〜13:45
エントランスホール集合
※屋外を除き、参加にはコレクション展のチケットが必要です。


コレクション展連続レクチャー(聴講無料)

4月23日(土)
「安井仲治の言葉をたどって」 小林公(当館学芸員)
※「国際博物館の日」記念事業
5月14日(土)
「安井仲治 時代と表現」 竹葉丈(名古屋市美術館学芸員)
6月25日(土)
「津高和一とブラジル」 平井章一(当館学芸員)


こどものイベント

5月29日(日)
「写真であそぶアート」
※参加には事前申し込みが必要です。詳細は当館HP内、「キッズサイト」をご覧ください。


キッズ

【小企画】展示室1.2 安井仲治―僕はこんな美しいものを見た―



安井仲治《水》1931‐32年 個人蔵(当館寄託)
安井仲治(やすい・なかじ 1903-1942)は、戦前の関西を拠点に活躍した写真家です。2003年には生誕100年を迎え、安井に対する評価と関心はこれまで以上に高まっています。今回の小企画では安井仲治のオリジナルプリント約170点を展示します。真摯に、そして自由に世界を見つめた写真家の広大な作品世界をご紹介します。



安井仲治 《自像》
1933年 個人蔵(当館寄託)
大阪の裕福な家庭に育った安井は幼少の頃から写真に対する興味を育み、10代にして関西写真界の名門、浪華写真倶楽部に入会を果たします。そこでは絵画を範とする絵画主義的な写真を制作していましたが、1930(昭和5)年に写真独自の表現を目指す丹平写真倶楽部が創設されるとその中心メンバーとして活躍、ドイツ新興写真やフランスのシュルレアリスムといった海外の新傾向に敏感に反応した作品を生み出していきます。

ただし、強調しなければならないのは、安井がこうした海外の動向の単なる紹介者ではないという点です。安井はそれらを自らの表現手段として自在に操り、独自の作品世界を切り開いていきます。アマチュアという立場を貫きながらも、生前から日本を代表する写真家として知られるようになります。そして1942(昭和17)年、38歳という若さでこの世を去りました。

安井が用いた技法は多彩であり、彼がとらえたモチーフも多岐にわたります。しかし、その作品に一貫性が欠けているわけでは決してありません。全ての作品には暖かく切実な眼差しが感じられるはずです。それは安井が、自由に、そして真摯に、カメラを通して世界を見つめたからに他なりません。写真という芸術の特徴を解説する中で、安井は次のように語っています。写真とは、「要するに『僕はこんな美しいものを見たよ』と報告すればいいのである」と。

今回の展覧会では、安井仲治のオリジナルプリント169点とモダンプリント5点のあわせて174点を3章にわけてご紹介します。



安井仲治 《分離派の建築と其周囲》
1922年 ゼラチンシルバープリント
I 娜迦璽から仲治へ
 安井仲治のデビュー作とも言える《分離派の建築と其周囲》などの1920年代の作品を展示します。この時期の安井は関西写真界の名門、浪華写真倶楽部とこの倶楽部の中心メンバーによって結成された銀鈴社を舞台に活躍します。当初は「娜迦璽」という名で作品を発表していましたが、1926(大正15)年頃から「仲治」という本名を用いるようになります。写真に対する安井の姿勢の変化、ある種の決意を感じさせる出来事です。当時は絵画を模範とする「芸術写真」が全盛で、安井もブロムオイルやゴム印画といったピグメント印画による抒情的な風景写真をおもに制作しました。

II 「新興写真」の時代
元号が大正から昭和に変わる頃から日本の写真界に大きな変化が起こります。いわゆる「新興写真」運動が活発となり、写真独自の表現が目指されるようになります。1931(昭和6)年に東京と大阪で開催された「独逸国際移動写真展」はこの動きを決定的なものにしました。
安井もこうした時代の流れと無縁ではなく、前衛的な写真表現を目指す丹平写真倶楽部の中心メンバーとして活躍します。この頃から安井はピグメント印画をほとんど行わなくなり、スナップ、多重露光、モンタージュ、ソラリゼーションといった写真独自の手法を積極的に用いるようになります。



安井仲治 《(波と群集)》 1931年頃
ゼラチンシルバープリント/フォトモンタージュ


III シュル/レアリスム
最後の章では1930年代の後半から安井が亡くなるまでの作品を展示します。
丹平写真倶楽部は1930年代の後半から、過激なまでのシュルレアリスム的作風によって全国に知られるようになりますが、安井も早い時期から様々なオブジェを風景の中に配して撮影する「半静物」という手法を考案し、独自の作品世界を築いていきました。
1940年代になると、安井は現実社会への関心がストレートに現れた〈山根曲馬団〉や〈流氓ユダヤ〉などの傑作を生み出していきます。これらと同時期に発表された〈上賀茂三部作〉と〈雪月花〉の風景連作には、テクニックを超えた透明な眼差しとでも言うべきものが感じられるでしょう。



安井仲治《流氓ユダヤ(窓)》 1941年ゼラチンシルバープリント 後期


安井仲治《浅春》1939年
ゼラチンシルバープリント 前期

会期中に約60点の展示替えがあります。
前期:3月26日(土)‐5月15日(日)
後期:5月17日(火)‐7月3日(日)
[主催] 兵庫県立美術館
[協賛] 財団法人みなと銀行文化振興財団

展示室3

日本の戦後美術
開放的な空間に、当館が誇る「具体」の作品や堀内正和の彫刻などをご紹介します。絵画と彫刻が一体となった空間をお楽しみください。

展示室4

20世紀前半の洋画
小企画で取り上げる安井仲治が活躍した大正から昭和10年代にかけて、関西の画家たちはどのような作品を描いたのでしょうか。展示室4では国枝金三、林重義などの小品によって当時の洋画を振り返ります。

展示室5

近・現代の彫刻
当館のコレクションによって近代から現代にかけての彫刻の流れを辿ります。昨年イタリアで開催された回顧展にも出品されたメダルド・ロッソの《新聞を読む男》も展示されます。ご期待ください。

特集展示 新収蔵作品紹介

2004年収蔵作品から津高和一、岡本唐貴らの作品を紹介します。

展示室6

平成16年度に新たに収蔵した作品と、その関連作品を展示しています。岡本唐貴の自伝的回想画シリーズや津高和一のブラジルからの里帰り作品など、当館では初公開となる作品をご鑑賞ください。

金山平三記念室

神戸出身の洋画家で、風景画家として高い評価を得た金山平三(1883-1964)の作品を展示しています。

小磯良平記念室

神戸を代表する洋画家、小磯良平(1903-1988)の画業を、《T嬢の像》や《斉唱》などの代表作で振り返ります。

※都合により展示内容が変更になる場合があります。
詳細はお問合せください。

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