兵庫県立美術館 没後10年 小倉遊亀展 2010年2月18日(木)〜4月4日(日)
Ogura Yuki Retrospective

展覧会構成
 第1章  日本画家としての出発 戦前期の作品を中心に
小倉遊亀が本格的に活動を始めた大正末から戦争中にかけての代表作約20点を展示します。25歳の時安田靫彦を訪ねた遊亀は、靫彦の助言のもと心あらたに制作の道を歩みはじめました。この時期、身近な人物や静物、風景を題材とした作品が描かれており、その端正な筆致からは絵に対する遊亀のひたむきな姿勢をうかがうことができます。《浴女 その一》(1938(昭和13)年)は水で屈曲する女性の身体やタイルの線の造形的な面白さに着目して描かれた作品で、清潔感にあふれた清々しい表現は当時も話題となりました。


 コラム:画の苗床−-遊亀と日本美術院


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《首夏》 1928(昭和3)年
滋賀県立近代美術館蔵

《晴日》 1937(昭和12)年

《浴女 その一》 1938(昭和13)年
東京国立近代美術館蔵
(展示期間:2/18-3/17)

 第2章  新しい日本画を求めて 人物編〜遊亀をめぐる人々
あらゆる価値観が見直された戦後、日本画の世界にも大きな変化が訪れました。大胆なデフォルメと形態の単純化をとおして、近代絵画としての日本画を遊亀は意識的に追求していくことになります。《娘》(1951(昭和26)年)はその象徴ともいえる作品で、くつろいで籐椅子に腰掛ける伸びやかな娘の姿が画面一杯に力強く描かれています。この時代、優れた女性画家に贈られる第4回上村松園賞を受賞した、《O夫人坐像》(1953(昭和28)年)名女優越路吹雪をモデルに描いた《コーちゃんの休日》(1960(昭和35)年)、生けるものすべてに通い合う愛と生きる喜びを感じあう健やかな気持ちに満ちた世界をイメージして描いた《径(こみち)》(1966(昭和41)年)など、多くの人物画の名作が生まれました。また遊亀独自の解釈と表現による菩薩像も多く描かれています。第2章では、仏画も含め、人物を描いた作品約30点を展示します。


 コラム:わが心を信ず−遊亀と仏画


《娘》1951(昭和26)年
滋賀県立近代美術館蔵

《O夫人坐像》1953(昭和28)年
東京国立近代美術館蔵
(展示期間:3/9-4/4)

《コーちゃんの休日》 1960(昭和35)年
東京都現代美術館蔵


《径》1966(昭和41)年 東京藝術大学蔵
(展示期間:2/18-3/7)

《舞妓》1969(昭和44)年
京都国立近代美術館蔵

 第3章  いのちを見つめて 静物編〜遊亀が愛したものたち
小倉遊亀は人物画だけでなく静物画の名作も多く描いています。教師としての仕事、病気がちの母の世話そして絵画制作と、多忙な生活を送らざるをえなかった遊亀にとって、静物画は身近な題材で自分の世界を表現できる領域でした。第3章でご紹介する静物画には、野菜や果物、梅や椿などが、遊亀の好んだ器と組み合わされて生き生きと描かれています。大胆ともいえる簡潔な構図と瑞々しい色彩によるこれらの静物画は人物画と並ぶ重要なジャンルであり、そこには対象を温かく見つめる画家のまなざしが感じられます。


《葡萄》1959(昭和34)年
滋賀県立近代美術館蔵

《明果》1965(昭和40)年

《椿花》1969(昭和44)年
燗屋史料館蔵

 第3章  多彩な活動
第4章では、遊亀が行った多彩な活動をご紹介します。谷崎潤一郎の小説『少将滋幹の母』の挿絵(1949-1950(昭和24-25)年)、『細雪』の単行本のための挿絵(1970(昭和45)年)、『婦人之友』の表紙絵(1952(昭和27)年)など本制作以外にさまざまな制作活動を行っています。また母校奈良女子大学講堂の緞帳の原画や、奈良・薬師寺の修二会で撒かれる散華の原画なども描いています。これらの作品では、本制作にはない即興的で軽快な表現がみられます。本展ではこれらの挿絵原画などを展示し、小倉遊亀の多彩な活動を紹介します。


《細雪》挿絵より
1970(昭和45)年頃
滋賀県立近代美術館蔵

《少将滋幹の母 口絵》
1949-50(昭和24-25)年
滋賀県立近代美術館蔵

《爛漫》(緞帳原画)1984(昭和59)年 
奈良女子大学蔵
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