神戸に生まれ、1952年以降パリを拠点に制作を行い、国際的な評価を得た画家、菅井汲(1919-1996)の1950年代から90年代までの作品を、新収蔵作品を含め紹介します。荒い筆触を際立たせた初期の作品から、明確な輪郭と原色による平滑な色面で構成される作品まで、菅井の作風の展開をたどります。(常設展示室1)
1956年に結成された制作者集団「極」は、戦後急速に進んだ民主化の陰に潜む社会の矛盾や人間の苦悩を、具象とも抽象ともつかない独自の表現で描き出しました。ここでは「極」の作家、小林二郎、片山昭弘、久保晃の作品を展示します。 (常設展示室1)
版画は当館の重要な収集対象の一つであり、収蔵品の中でも大きな割合を占めています。ここでは近現代の日本の版画コレクションの中から、身近なモチーフを題材にしたシンプルで明快な造形と色彩による魅力的な作品を展示します。(常設展示室1)
花瓶に活けられた花は多くの画家たちによって描かれてきました。花の美しさを描くだけでなく、瓶花静物は画家たちにとって、モチーフの組み合わせや構図、色彩やかたちのバランスや調和などを試す格好の題材でもありました。(常設展示室2)
このたび、青山熊治(1886-1932)や小出楢重(1886-1931)をはじめ、1920年代から30年代にかけて描かれた作品がコレクションに加わりました。西洋から移入した油彩画による表現が成熟し、日本的表現としてひとつの達成をみたとされるこの時代の洋画を展示します。(常設展示室2)
1954年に吉原治良によって結成され、従来の美術の概念を覆す独創的な創作活動により国内外から注目された具体美術協会。吉原の、「人の真似をするな」という指示のもと、従来の美術の概念を覆す大胆な試みが行われ、その活動は、今日もなお国内外から熱い視線が注がれています。(常設展示室3)
1941年、いわゆる「命のビザ」を携えて神戸に滞在したユダヤ難民を写した一連の写真を展示します。当時大阪で結成されたアマチュア写真倶楽部である「丹平写真倶楽部」のメンバーであった安井仲治(1903-1942)、椎原治(1905-1974)、田淵銀芳(1917-1997)によって撮影されたこれらの写真には、束の間の休息を得てくつろいだ表情をみせる亡命ユダヤ人たちの姿が克明にとらえられています。 (常設展示室3)
当館の収集の柱のひとつである近・現代彫刻を紹介します。「美術の中のかたち―手でみる造形」の開催にあわせ、ブロンズ彫刻を中心に構成するとともに、新収蔵作品 を紹介します。(常設展示室5)
気品のある優美な女性像で知られる近代日本洋画の巨匠、小磯良平(1903-1988)。2018年度に新たに1点、女性を描いた優品がコレクションに加わりました。時代を経ても色あせることのない、小磯の世界を新収蔵作品も含め当館選りすぐりのコレクションを通して紹介します。
金山平三(1883-1964)は神戸に生まれ、前半生は帝展作家として中央画壇で活躍、後半生は日本各地を旅し、四季折々の日本の風景を描きました。澄んだ色彩と卓越した筆さばきで描かれた数々の秀逸な風景画のうち、今回は水辺の風景を描いた作品を中心に、2018年度の新収蔵作品も含め展示します。