作品内容

第1章  現代のシルクロード・ファッション
1970年代、高田賢三ら非西欧諸国のデザイナーたちによってファッションの主役はオートクチュール(高級仕立服)からプレタポルテ(高級既成服)へ移行しました。彼らはその新しい発想の源泉を世界の民族衣装に求めましたが、中でも東西をつなぐシルクロード地域の衣文化は、今もなお多くのデザイナーたちに影響を与え続けています。この章では1996年から2003年にかけて発表されたパリ・コレで活躍するデザイナーたちのコレクションを紹介します。

第2章 東西文明の交差路で開化した染織世界
現在のウズベキスタンやタジキスタンで発展した染織や金銀細工の技術は、数々の美しい布や飾り物を生み出してきました。ここでは、バザールで人々が競って買い求めた刺繍布、コート、帽子、装身具などを紹介します。

第3章 草原から生み出された遊牧の染織世界
パッチワークの壁掛け、化粧道具・小物・煙草用などの各種の袋、帽子、装身具などアフガニスタンの遊牧の民が日常生活の中で手作りしてきた絹糸による刺繍などを含む染織品を紹介します。

第4章 砂漠より イスラムの民からのメッセージ
祝い事や礼拝に使われた刺繍布(スザニ)を中心に、コート、帽子などを展示。8世紀ころから中央アジアに展開したイスラーム教とともに発展した「文様」に注目します。