企画展示室1

この部屋では、美術館に訪れる方々が、周囲の環境からまったく隔離された真っ白な展示室の中で美術鑑賞を行なうのではなく、むしろ自然や環境の存在を常に意識できるように工夫された美術館のあり方への関心を深めていった現代社会に対応する新しい試みを紹介するほか、美術館に求められる多彩な機能に対応し、先端テクノロジーや自然の素材を自在に使いこなす芸術家の大胆な作品も、フレシキブルに受け容れることができる美術館、美術館そのものが様々なジャンルの芸術空間の創造と連動する試みもこの部屋で紹介します。たとえば、安藤忠雄によるフォートワース現代美術館は、当館と同じ時期にガラスの箱の中にコンクリートの箱を納めた二重被膜の構造を用いた斬新なデザインで知られています。テキサスの広漠な大地に、水庭を人工的に造り、美術館の周囲に植栽を施して、オアシスのような環境を創出しています。水のゆらめきや、風のニュアンスを美術館の屋内からも感じ取ることができる、新しい提案がなされています。