秋野不矩展
-創造の軌跡-
2003年4月26日(土)〜6月8日(日)
2001年10月、93歳で逝去した文化勲章受賞の日本画家、秋野不矩の没後初の大回顧展を開催します。
秋野不矩は、1908年、静岡県天竜市に生まれ、1929年、京都に出て日本画を学びます。5男1女を育てながら作品を発表し続け、1948年、仲間と共に、「創造美術(現・創画会)」を結成、戦後の日本画の発展に大きな役割を果たします。1962年、日本画の客員教授として初めて訪れたインドでの体験が決定的な転機となり、以後、インドの風物を主題とした作品を描くようになります。
インドの豊穣で過酷な自然と対峙して生きるもののたくましさや美しさをみずみずしい色彩とダイナミックな筆遣いで表現し、生命力あふれる独自の画風を作り上げました。悠久の時の流れを感じさせる大地、厳しい自然に生きる動物たち、敬虔な人々などを描いた秋野不矩の作品は、日常の喧噪の中で生きる我々が忘れがちな自然と人間との共存、生命の重さといった根源的な問いに立ち向かう契機を与えてくれます。
本展では、インドをテーマとした作品を中心に、初期から晩年にわたる代表作約80点をはじめ、天竜市立秋野不矩美術館が所蔵する門外不出の7メートルに及ぶ大作「オリッサの寺院」が特別出品されるほか、あまり公開されたことのない素描、下絵、絵本原画約130点も併せて展示し、秋野芸術の全容を紹介します。
インドを愛し、美を謳いあげた
秋野不矩 没後初の大回顧展

秋野不矩(あきの・ふく)略歴
1908年 静岡県天竜市に生まれる。
1926年 静岡県女子師範学校を卒業、高等小学校の教師になる。
1927年 千葉県の石井林響に師事。
1929年 京都の西山翠嶂塾に入門。
1932年 先輩画家の澤宏靭(さわ・こうじん、故人)と結婚(1958年離婚)。
1936年 新文展鑑査展の選奨(特選)を受賞。
1948年 日展を離脱し、山本丘人、上村松篁らと共に「創造美術(現・創画会)」を結成。
1950年 京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)助教授に就任。
1951年 「少年群像」で第1回上村松園賞を受賞。
1962年 ビスバ・バーラティ(タゴール国際大学)の客員教授として招かれ渡印。
1966年 京都市立美術大学教授。
1974年 京都市立芸術大学名誉教授。
1986年 第27回毎日芸術賞受賞。
1991年 文化功労者顕彰。
1998年 出身地の静岡県天竜市に天竜市立秋野不矩美術館が開館。
1999年 文化勲章受章。
2000年 アフリカに取材旅行(マリ、ブルキナファソなど)。
2001年 10月11日、心不全のため93歳で逝去。

<記念講演会>
5月3日(土・祝)
「秋野不矩の人と作品」
木村重信
(兵庫県立美術館館長)
5月17日(土)
「不矩さんのこと}
小池一子
(武蔵野美術大学教授)
各回とも午後2時より当館ミュージアムホールにて(聴講無料)

開館時間:午前10時〜午後6時(金・土曜日は午後8時まで)入場は閉館30分前まで
休館日:毎週月曜日(5月5日[月・祝日]開館、5月6日[火]休館)
観覧料:

一般
大・高生
中・小生
 1200円(900円)
 900円(700円)
 500円(400円)

※かっこ内は前売り及び20人以上の団体料金
※兵庫県内在住の65歳以上の方及び県内在住の障害者の方は半額になります
※県内在住・在学の中・小生はココロンカードの提示により無料
※常設展は別途料金(本展とあわせて観覧する場合は割引)

主催:兵庫県立美術館・毎日新聞社・NHK神戸放送局
後援:兵庫県・兵庫県教育委員会・神戸市・神戸市教育委員会・スポーツニッポン新聞社
協賛:(財)伊藤文化財団
協力:天竜市立秋野不矩美術館
問い合わせ:
毎日新聞総合事業局事業部 TEL.06-6346-8391(午前10時〜午後6時 土日祝日を除く)
兵庫県立美術館TEL.078-262-0901

毎日新聞社の「秋野不矩展」ホームページ(優待券あり)
http://www.mainichi.co.jp/osaka/



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