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兵庫県立美術館では、2008年7月12日から11月9日まで、
2008コレクション展Uの中で、小企画「美術の中のかたちー手で見る造形」さわれないかたちをさわる−梶滋・久保極の彫刻を開催します。
開館日や料金などの情報は、下をごらんください。

兵庫県立美術館では1989年からほとんど毎年、「美術の中のかたち−手で見る造形」という展示を開催しています。作品を見るだけではなく、さわって鑑賞することができる展示です。美術館をおとずれることの少ない視覚障害のある方々にも美術を楽しんでいただきたいと願って開催します。また、ふだん視覚ばかりにたよりがちな美術鑑賞のありかたをのりこえようとするこころみでもあります。19回目を迎える今回は、二人の彫刻家の作品を紹介します。梶(かじ)滋(しげる)さんの作品は、自然の中にあるリズム「ゆらぎ」をテーマに、木を使って制作したものです。久保(くぼ)極(きわめ)さんは石を彫りぬいて幾何学的な作品を制作しています。展示のテーマは「さわれないかたちをさわる」。自然の中に存在しつつもとらえきれない「ゆらぎ」、自然には実在しない球や立方体。これらの本当は「さわれないかたち」を手でさわって、頭ではなく心で感じてみてください。豊かで静かな時間が待っています。

出品作品から一部をご紹介します。


梶滋≪ゆらぎの棒2.4≫2004年 
技術支援 兵庫県立工業技術センター・財団法人新産業創造研究機構

長さが2メートル40センチあります。 こどもたちにも好評の作品です。

久保極≪曲折(Meander)≫1999年

手でやさしくさわってみてください。
久保極≪アルハンブラの思い出≫2006年

大理石を彫りぬいて制作した作品です。

梶さんは、パソコンも使いながら制作しています。 【作家プロフィール】
梶滋(かじ・しげる)

1951 兵庫県生まれ
1972 神戸市立工業高等専門学校卒業
1986 第10回神戸須磨離宮公園現代彫刻展 三重県立美術館賞受賞
1987 第11回神戸須磨離宮公園現代彫刻展 神戸市文化奨励賞受賞
1989 ラトビア共和国 リガ市美術館にて個展
1990 第12回神戸須磨離宮公園現代彫刻展 兵庫県立近代美術館賞
1992 第13回神戸須磨離宮公園現代彫刻展 優秀賞
1993 '93兵庫の美術家(兵庫県立美術館)出品
1994 平成6年度文化庁芸術家海外研修(ドイツ カッセル大学)
1994 コンピューターで立体造形をはじめる
2000 四人の彫刻展(ギャラリーせいほう 東京)
2004 大手幼稚園(須磨)に「ゆらぎのすべり台」を設置
2007 那須野が原国際彫刻シンポジウム参加『旅展』(文化庁)

この他多数の個展・グループ展に出品し、各地に作品を設置しています
社団法人二紀会監事
神戸芸術文化会議会員

久保さんは、さまざまな石を彫って制作しています。 【作家プロフィール】
久保極(くぼ・きわめ)

1956 大阪府生まれ
1974 ナホトカからシベリア経由でイタリアに渡る
1975 イタリア ピエトラサンタの工房にて大理石彫刻の修業をはじめる
1978 フィレンツェ国立美術アカデミア彫刻科卒業
1980 イタリア ラポラーノ石彫シンポジウムに参加
1981 イタリア カラーラ石彫シンポジウムに参加
1984 シルクロードを放浪して帰国
1985 高知県大月町石彫シンポジウムに参加
1990 大阪府池田市石彫シンポジウムに参加
1993 奈良センタービルにモニュメント設置
2003 日本におけるイタリア展−昨日・今日・明日−(長野)出品
2004 月吠(げっぽう)の現代美術展 10周年記念(奈良市美術館)出品

この他多数の個展・グループ展に出品し、各地に作品を設置しています
日本美術家連盟会員

【会期などの情報】

・会期
2008年7月12日(土)より11月9日(日)まで開催しています。
月曜日は休館します。ただし月曜日が祝日の場合開館し、翌火曜日休館します。
9月22日(月)、10月14日(火)は特別に開館します。
開館時間は午前10時から午後6時までです。
特別展開催中の金・土曜日は午後8時まで夜間開館しています。
閉館時間の30分前までに会場に入ってください。
・会場
兵庫県立美術館・常設展示室4が会場です。
・主催
兵庫県立美術館
・後援
兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会、兵庫県社会福祉協議会、神戸市社会福祉協議会
・協力
大田原市
観覧料金は、コレクション展2と共通です。通常料金は、一般が500円、大学生・高校生は400円、中学生・小学生は250円です。割引料金のご説明をします。20名以上集まると団体割引料金になります。一般が400円、大学生・高校生は320円、中学生・小学生は200円です。特別展をあわせて観覧する場合も割引になります。一般が300円、大学生・高校生は240円、中学生・小学生は150円です。兵庫県内の中学生・小学生は、ココロンカードを見せてください。無料になります。障害のある方とその介護の方1名は無料です。兵庫県内在住の65歳以上の方は一般料金の半額です。

関連事業

この展覧会の関連イベントをご紹介します。

・ワークショップ「てにのるかたちをつくろう」
梶滋氏とともに、良い香りの「クスノキ」を削って小さなしずく型の作品をつくりあげます。
手の中で撫でると心の落ち着くかたちです。
7月27日(日)午前11時から午後3時30分まで
対象は中学生〜大人です。 定員は30名です。
参加費は一般1500円、「芸術の館友の会」会員1000円です。
参加費にはコレクション展観覧券を含みます。
申し込みが必要です。「芸術の館 友の会」(電話 078ー262ー0916)までお問い合わせください。
・梶滋&久保極アーティスト・トーク
梶滋氏・久保極氏を迎え、展覧会担当学芸員が聞き手となって、作品にこめられた意味・見どころ・制作方法などを語っていただきます。
9月14日(日)午後2時から3時30分まで レクチャールームにて行います。 定員は100名です。
参加無料です。
・こどものイベント「美術の中のかたちってなんだろう?」
久保極氏とともに、石を彫って作品作りに挑戦します。
10月25日(土)午前10時30分から午後3時30分まで
対象は兵庫県内に在住・在学の小学3年生〜中学3年生です。 定員30名です。
申し込みが必要です。10月11日(土)の午前10時から電話(078-262-0908)で先着順に受け付けて、定員になったらしめきります。参加費は500円以内です。

館蔵彫刻の鑑賞についてのご案内

彫刻の鑑賞についてのご案内をします。
兵庫県立美術館では、視覚障害をお持ちの方にかぎって、展示している館蔵彫刻作品をさわって鑑賞していただけます。
学芸員が立会いますので、事前に申し込みが必要です。
電話番号078-262-0909の「美術の中のかたち」担当にご相談ください。
素材などの問題でさわれない作品もあります。ご了承ください。
今回のコレクション展Uでは、5点の作品をさわって鑑賞していただけます。

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