Permanent Collection

兵庫県立美術館では、前身の兵庫県立近代美術館時代より約35年にわたり、7,000点以上の作品を収集してまいりました。これらの作品を順次公開するために、1年に3回の「コレクション展」を開催しております。

今回は、特集展示として開館5周年を記念し、「ロダン以後―彫刻大特集」を開催いたします。通常の彫刻展示スペースの2.5倍を使い、当館がこれまで収蔵してきた彫刻、立体作品をこれまでにない規模で展示しています。
また、1階ではその他に、戦後から現代までの絵画、版画と写真を展示、2階では兵庫県の生んだ二人の画家・小磯良平と金山平三の記念室に加え、近代絵画コレクションの代表的な作品を展示しております。各部屋の内容は以下のとおりで、出品総数は190点以上になります。どうぞごゆっくりとお楽しみください。


主催
兵庫県立美術館
会期
3月17日(土)〜6月24日(日)
開館時間
午前10時〜午後6時(入場は午後5時30分まで)
特別展開催中の金・土曜日は午前10時〜午後8時(入場は午後7時30分まで)
休館日
月曜日、ただし4月30日は開館、翌5月1日(火)休館
入場料
一般:500(400) <300>円
大高生:400(320) <240>円
中小生:250(200) <150>円
※( )内は20名以上の団体割引料金
※< >内は特別展とのセット割引
※兵庫県内に在住・在学の中小生はココロンカードの提示により無料
※障害者の方(介護の方1名も)、および兵庫県内在住の65歳以上の方は、当日料金の半額
※特別展の観覧には別途観覧料金が必要
(コレクション展とあわせて観覧される場合は割引あり)
会場
兵庫県立美術館常設展示室 1階・2階


関連イベント 参加すれば、もっと楽しい。


4月7日「美術館の日」イベント

 ・春の彫刻デッサン会ーコレクションを描く
(10:00〜12:30)
※申し込み制 締め切り:3月18日
問い合わせ:Tel.078-262-0916(美術館友の会)
・みんなで挑戦☆フロッタージュ(15:00〜)
・学芸員によるギャラリートーク(16:00〜)


学芸員によるレクチャー『彫刻・再発見』

 4月29日(日)「ロダン以前・ロダン以後」吉田朋子
5月20日(日)「複製技術時代の彫刻」速水 豊
6月3日(日)「館蔵品にみる日本近現代彫刻の流れ」相良周作
※各回とも15:00〜
場所:レクチャールーム〜常設展示室にて
聴講無料(要観覧券)


ミュージアム・ボランティアによる
コレクション展ガイドツアー

 会期中の金・土・日曜日13:00〜


こどものイベント

 4月29日(日・祝)「みんな彫刻」
5月5日(土・祝)「型取りに挑戦」
※各回とも10:30〜
兵庫県内在住・在学の小中学生 25名

キッズ

同時開催の企画展


ロダンー創造の秘密
ー白と黒の新しい世界ー


見果てぬ夢ー日本近代画家の絶筆

1階


展示室1

現代の美術
 この部屋では、第二次大戦後から現代までの日本の美術のなかから、前衛的な傾向を示す絵画作品を中心にごらんいただきます。
 1950年代後半から世界各地で抽象絵画が大きな隆盛を見せました。日本では、具体美術協会のメンバーがこれまでにない実験的な絵画手法を展開します。また、1960年前後から、従来の芸術概念そのものを問い、概念的思考を作品化する動向が顕著になります。さらにイメージや記号、物質自体のあり方を捉える多様な作品が制作されました。そして1980年頃からは、絵画表現が見直され、描くことやかたちや色の表現力が再び重視されます。ここではこうした戦後美術の流れを3つのセクションに分けておよそ時代順に展示しています。

 白髪一雄
《作品I》1958年

展示室2,3,5

ロダン以後―彫刻大特集
 当館では、近代の彫刻をコレクションのひとつの核として収集してきました。現在、所蔵する彫刻、立体作品は約150点にのぼります。今回はそのうち代表的な作品35点により、近代から現代にいたる様々な立体表現をご紹介します。
 「ロダン以後」とは、当館の彫刻の収集範囲を示してきた指標であり、近代彫刻の出発点を指す言葉でもあります。しかし、ロダンを起点とする約100年間の彫刻の展開は、この偉大な巨匠の継承発展である以上に、むしろダイナミックな変貌の相のもとに捉えられるものでしょう。西洋と日本の立体表現がこの100年間にどのように変化したかを、代表的な作例をたどりながら体感いただければ幸いです。
また、当館のエントランスホールや屋外にも彫刻作品を設置しています。こちらもぜひお楽しみください。

  展示室2
アリスティド・マイヨール
《コウベのディナ》1943年

  展示室3南
斎藤義重
《複合体102−1・2》1984年
山村コレクション

  展示室3南
篠原有司男
《モーターサイクル・ママ》
1972〜81年
山村コレクション

展示室4

版画と写真
 当館では近現代の版画を収集しており、現在、約4千点を所蔵しています。この部屋ではそのなかから当館のコレクションの特徴をよく示す作品を特に選んで展示しています。
 日本では明治末から昭和前期にかけて、伝統的な木版画制作から脱し、版画独自の芸術性を獲得しようとする運動がありました。昭和期には近代的な版画技術を自在に駆使する個性的で優れた作家が登場します。
 西洋においても版画は、単に複製や印刷の技術ではない独自の表現領域として発展しました。それは思想や感情を自由に表現し、伝え広めるメディアとして近代にはとりわけ個性的な作品を生むことになります。
 また、ここでは日本の新興写真運動を担った写真家の作品も併せて展示しています。

2階

展示室4

近代の美術
 この部屋では明治期から昭和前期までの絵画作品をご覧いただきます。
 明治期において西洋の絵画技術が本格的に導入されます。美術学校や展覧会といった制度が整えられ、油彩による写実技法の習得が画家の基本的な課題となりました。大正期から昭和初期にかけて、西洋に留学する画家が多くなります。その頃、ヨーロッパでは前衛的な手法が次々と生まれ、日本の画家たちもその影響を受けました。そして、昭和期には日本の油絵がある種の成熟を見せますが、前衛的表現は戦時下に中断を余儀なくされ、様々な個性が再び開花するのは戦後のことになります。
 ここではこうした洋画の流れを3つのセクションに分けて紹介し、同時期の日本画も併せてご覧いただきます。

小磯良平記念室

 1903(明治36)年生まれの小磯良平は、現在の東京芸術大学の前身である東京美術学校を首席で卒業後、渡欧して西洋絵画の研鑽を積みます。帰国後は、日本における具象絵画のあり方を追求し実践していきました。
彼の描く絵画は、いくぶんフォーヴィスム(野獣派)風のものや、古典的な格調に満ちたもの、抽象的な形体を前面に押し出したものなど、その制作年代によって画風が微妙に異なります。小磯の初期から晩年にかけての様々な画風の変化を、当館の収蔵品を中心にご覧ください。

金山平三記念室
 1883(明治16)年生まれの金山平三は、現在の東京芸術大学の前身である東京美術学校を首席で卒業後、渡欧して現地の芸術に数多くふれる一方、印象派風の作品を数多く手がけます。帰国後は帝展(帝国美術院展覧会)を中心に日本における洋画界のホープとして活躍しますが、後に中央画壇から距離を置き、日本とりわけ東北・北陸地方の風景画を制作します。また静物画や人物画にも卓越した技量を見せています。
 金山の作品は、そのみずみずしい色彩の用い方を特筆すべきでしょうが、そのほかにも奥行きを強く感じさせる空気の質感の表出や、非常に吟味された構図などにも特長があります。そうした金山の手による様々な表現をお楽しみください。

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