平成15年度兵庫県立美術館 常設展示2
7月17日(木)〜11月3日(月・祝)
展示室1
展示室2
展示室3
展示室5
展示室6
金山平三記念室
小磯良平記念室
展示室4Form in Art 美術の中のかたち−手で見る造形ー
松田 一戯 と 密 祐快
2003年7月17日(木)〜11月3日(祝)
会 場=兵庫県立美術館 1階常設展示室4
開館時間=10:00〜18:00(特別展開催時の金・土曜日は20:00まで)
※本展だけをご覧になる視覚障害者の方とその介添えの方は無料です。


会期中の催し
アーティスト・トーク「さわってわかること」
・8月23日(土) 14:00〜15:30
・松田 一戯 、密 祐快/聞き手 岸野裕人(担当学芸員)
・会場 レクチャールーム(1階)/聴講無料

兵庫県立近代美術館時代から数えて14回目の「美術の中のかたち―手で見る造形―」展です。
本展は、展示作品を直接手で触ることによって、目で見ることが当たり前とされてきた美術鑑賞の可能性を広げるとともに、視覚に障害のある人たちにも美術館という施設を利用してもらうきっかけとなることを願って始まりました。
何を指して私たちは「見る」というのでしょう。例えば美術作品を触ることで、そこに託された作者のメッセージと触る人の記憶が交叉し、そこに新たなコミュニケーションが生まれるとすれば、それも「見る」ということにつながるのではないでしょうか。
今回の展覧会では、但馬在住の2人の造形作家、松田一戯(まつだかずき)、密祐快(みつゆうかい)両氏の協力を得て、2人の作品と館蔵品から選んだブロンズ3体を併せて展示しています。2人の作家に共通する素朴で土着性を帯びた造形と、20世紀の彫刻界にあって、モダニズムの展開に重要な役割を果たした彫刻家たち(アーキペンコ、マリーニ、デュシャン=ヴィヨン)のブロンズを比較しながらご覧ください。
おそらく今回の2人の出品作家は、欧米の影響下で展開してきた美術の流れに距離を置き、自分たちの足元を見つめることによってそれぞれの造形を形づくってきたと思われます。松田が刻むクスノキにしても、密が織るシュロ縄にしても、それらは各自が生存する中で見出した素材です。この2人は、自身の思考を形にする過程で各々の素材に出会い、素材とともに何かを発言しているといってもいいでしょう。
この2人の作品と館蔵品の3体のブロンズが表そうとする世界は、本来別のものであるのかもしれません。私たちが美術と呼び、彫刻と呼び習わしてきたものは、果たしてどのようなものなのでしょうか。本展がそれぞれの作品の持つ独自性を、触ることも含めて考える機会としていただければ幸いです。



  作者名 作品名 制作年
1 松田 一戯 キムト・ハウス 1986(昭和61)年
2 松田 一戯
風の道(神の居た場所)
1992(平成4)年
3 松田 一戯 フェイの連山より 1988(昭和63)年
4 松田 一戯 赤い道 1993(平成5)年
5 松田 一戯 夢のような時代 1993(平成5)年
6 松田 一戯 鉛の船 1993(平成5)年
7 松田 一戯 ナショナリズムの風景 1993(平成5)年
8 松田 一戯 ナショナリズムの風景 1993(平成5)年
9 松田 一戯 未(ひつじ) 1991(平成3)年
10 松田 一戯 丑(うし) 1993(平成5)年
11 松田 一戯 午(うま) 1993(平成5)年
12 松田 一戯 子(ね) 1993(平成5)年
13 松田 一戯 戌(いぬ) 2002(平成14)年
14 密 祐快 虚空を去来するモノ−胎(1) 2001(平成13)年
15 密 祐快 虚空を去来するモノ−胎(2) 2002(平成14)年
16 密 祐快 虚空を去来するモノ−棺(1) 2002(平成14)年
17 密 祐快
虚空を去来するモノ−棺(2)
2003(平成15)年
18 レイモン・デュシャン
=ヴィヨン
ボードレール 1911(明治44)年
19 アレキサンダー
・アーキペンコ
空間にあるトルソ 1936(昭和11)年
20 マリノ・マリーニ 少女 1938(昭和13)年

※1〜17は作者所蔵、18〜20は兵庫県立美術館所蔵
※1〜3は【立体】 、4〜8は【素描】、9〜13は【木面】

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