兵庫県立美術館 Close
金山平三記念室

 日本洋画界の巨匠、金山平三(かなやま・へいぞう)は、明治16(1883)年に神戸に生まれました。東京美術学校で黒田清輝の指導を受け、同校の卒業後ヨーロッパに渡り、印象派絵画などの影響のもと多くの作品を手がけます。帰国後は、高い技術に裏打ちされた密度の濃い絵画が高い評価を得ます。しかし昭和10(1935)年から翌年にかけて起こった美術界への政治の介入が転機となり、以後は中央画壇との一定の距離を保ち、昭和39(1964)年に亡くなるまで、日本の気候と風土に根ざした風景画を中心に、静物画や人物画など、数多くの作品を制作し続けました。

 金山平三の没後、遺族から多くの作品と資料類が兵庫県に寄贈されたことが一つの契機となって昭和45(1970)年、兵庫県立近代美術館(当館の前身)が開館しました。その後 《大石田の最上川》をはじめ、日本の風景を描いた作品を中心に約20点が常時展示されています。


《大石田の最上川》 1948年頃 油彩・布

 金山は大正12(1923)年、山形の大石田を初めて訪れました。以来、晩年にいたるまでほぼ毎年訪れ、この地を主題とした作品を数多く手がけました。これはそのうちの一点、最上川の眺めを描いたものです。凍てつく寒さ、透徹した冬の空気が感じられます。画面右に描かれた家と舟からは、雪国で生きる人びとの気配も見てとれます。広がる川面は丁寧に塗り重ねられ、色あいの微妙な変化によって、淡い反映が的確に表されています。
《渓流》1959年 油彩・布

 第2回新日展に出品された、十和田の奥入瀬渓谷を描いたであろう本作では、晩年の金山に特徴的な激しい筆致によって渓谷の水流が表現されています。
また、画面右にあらわれた放牛は、生涯にわたってほとんど動物を扱うことのなかった金山が例外的にくり返し描いた動物であり、人の住まう自然の息づかいを感じさせてくれるモチーフとなっています。

※金山平三記念室はコレクション展会期中のみ開室します。ご了承ください。
2012年度コレクション展の会期は以下のとおりです。

コレクション展T 2012年3月24日(土)〜6月24日(日)
コレクション展U 7月7日(土)〜11月4日(日)
コレクション展V 11月17日(土)〜2013年2月24日(日)

※上記の作品2点は、4月7日(土)から当館で開催する「日本の印象派・金山平三」展でご覧いただけます。
なお、開館10周年記念として、「日本の印象派・金山平三」展観覧券(または半券)のご提示で、
コレクション展(金山平三記念室を含む)を無料でご観覧いただけます。(金山展会期中のみ)

(c) Hyogo Prefectural Museum of Art